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... ; ..、 ,/; " ;; ト、 ,/レ' ; ;/(i从; ヾ; } /,l /iメ、 __`'ヽ; l i | l゙.|;/|「;j ;=ミヽi ;} / イ | |' |`, .l; j`,レ' / ;j' おかえり♪ `` . 、 _ / / ソ __ ,-─、'/ノ; --,;.し / ;ん (、_ \ ヾYv'~ ̄`(~;ト、)ヾ`iノ .ヽ iタ^} _ヽ__.ソ、 ゙l } ヽ, `i´ ゙^./ ヽ |, / | | i `、 ,." `、 ,ソ ./ \|.} , -ー 、 | ゝ〆 ヽ/ ' 、 ヾ、. / ゙i _,,r/~ハ / _>-‐─ヘノ} | `、 { ,l゙ { ` /|、 ,〆,,rー-─ー-\,,_ i ヽ ヽ /ノ J ,イ′l / / `'~ `ヽ、 l゙ \ /" , / `ー|/, ″ `ゾ ヽ,、 、 ヽ. `ー-、ー</ ゙l ./ ヘ ヽ, .i ヽ | // | ゙、 , _ _ ._ } `、 | ー、,_/ / |\\).ヽ,ヽ,Y j ヽ | / \'_// | ̄`ヽ`~~" \ _{ ./ , `ミゝ、/ |,-ー─\ \,,,; -- '''''" `、/ / / ̄~`/ | `ヽ 京太郎「ただいま…って部長!? なんで俺の部屋に!?」 久「部屋の前で待ってたら大家さんが鍵開けてくれたの。なんか彼女と思われたみたい」 京太郎「あの大家…不用心すぎるだろ」 久「でも、大家さんは鍵開けてくれただけで入って待つと決めたのは私。だから怒るなら私を怒りなさい」 京太郎「…その言い方はずるいですよ。俺が怒れって言われてから怒れるような奴じゃないって分かって言ってるでしょ」 久「で、怒るの?」 京太郎「…もういいです。次から勝手に入らなければそれでいいです」 久「善処します」 京太郎「はぁ…それでなんの用ですか? わざわざ俺が帰ってくるまで待ってたってことは面と向かって話したいことでもあるんですか」 久「ん~、そこまで重要じゃないんだけど」 京太郎「下らない話だったら今度は本気で怒りますよ」 久「子どもができた」 京太郎「…は?」 久「冗談冗談。ところで最近どうなの?麻雀強くなった?」 京太郎「ええ、まあPSPで麻雀格闘クラ」 久「ちょっとお茶くらい入れなさいよ」 京太郎「あ、はい すみません…」 コトコト… 台所でやかんを火にかける京太郎 久「べつに用も無いんだけどなーんか退屈しちゃってね。思いつきで来ちゃった もうちょっとくつろいでいくわ」 京太郎「ええー…」 久「ねえ」 京太郎「はい?」 コトコト 久「あなたって なんで麻雀部なんて入ったの?麻雀得意ってわけでもないし そんなに好きでもないでしょ」 京太郎「え いやいや オレ麻雀好きですよw」 京太郎(言えるわけねー 部長に惚れて入ったなんて) 久「…」 京太郎「…あの お茶入りました」 久「ん 置いといて」 京太郎「あ はい」 久、腹ばいのまま漫画読んでいる 京太郎(…どうしてオレの部屋なんかに来たんだろうか……っつ~気になるわ…でも気まぐれな人だからなー 何考えてんだろ) 久(この漫画クソおもしれーwwwワロタワロタwwww) 京太郎 (仕方ないな 勉強でもするか 試験近いんだよな) 小一時間後 久「あれ、勉強?えらいね」 京太郎「ふあ!? びっくりした…試験前だから、勉強しとかないとヤバいんすよ」 久「ふーん…」 京太郎(うわっ…いいニオイ…ヤバイヤバイwww) 久「ちょっと台所借りるわ」 京太郎「あ はい…」カリカリ 久「がんばってる京太郎くんに何か作ったげるw」ガチャガチャ 京太郎「え?いやそんな悪いっすよ」 久「いいから勉強続けてなさい」ジューパチパチ 京太郎(ちょwwwwwwなんかすげー幸福な展開キターwwwwww) 京太郎「がんばります!」ガリガリ 久楽しげに何やら料理している 水を得た魚のように猛烈に勉学に勤しむ京太郎 久「はい できあがり」 京太郎「おおーなんか家庭の料理って感じの」 少し古風な料理が並べられる 京太郎「うめー 部長料理上手かったんすね これは感動…毎日ろくなもん食ってなかったからなー」モグモグ 久「まあ急に押しかけたお礼だと思って 私もう少し時間つぶしたら帰るわ」 京太郎(部長やさしいわー なんだろう こんな人なら結婚してもいいって思えるよな…) 久「はい お茶」 京太郎「あ、すみません」カチャカチャ 久、京太郎の皿を片づける 京太郎(惚れた人と一緒に過ごせたばかりか、飯まで作ってもらった…オレはこの思い出を一生忘れないだろう) 京太郎(心の中の京太郎メモリーに書き残して置く事にしよう) 久、片付け終わりまた漫画を読んでごろごろしている 京太郎勉強に戻る 京太郎(…方程式x^2+ax+b=0が実数解を持つ(a,b)の範囲をab平面に描け…これは難しいな…) 久「ははは(ヤムチャ弱えーwwwwwww)」 京太郎(でも…いくら惚れていても逆に部長がオレの事を好きになる要素はあるのか?) 京太郎(それが無ければオレは何時まで経っても今のままだオレは…) 久「ねえ 男と女ってさ」 京太郎「ウ!ウエホッウエホッ!ははい?」 久「好きでも無いのに一緒にいるとだんだんくっついちゃうものなのね」 京太郎「え ははあ…そうなんすか」 京太郎(なんだなんだ どういう事だよ) 久「ははは(ベジータとブルマくっついちゃったよ)」
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桃子「フーンフフーン、フスフーンっす♪」 京太郎「あのー、桃さん……そろそろ膝の上から降りてはいただけないでしょうか」 桃子「嫌っす。待ち合わせに遅れた挙げ句、私が声かけるまで気付いてくれなかった罰ですから、コレ」(ツーン 京太郎「いや、ちゃんと気配は……気配は感じてたから……!」 桃子「それじゃ足りない……まだ足りないから……倍プッシュっす!」 京太郎「そんなー……」 桃子「エヘヘヘ」 京太郎(うーむ、少しばかり足が痺れてきたのはともかく……太ももの上になんとも言えない柔らかな感触、そして甘いシャンプーリンスその他女の子らしい香りが……) 桃子「どーかしたっすか、京さん?」 京太郎「いいええ、なんでも、なんでもないっす!」 京太郎(ちょっとイケナイ気分になったなんて、口が裂けても言えねえ……!) 桃子「あー、それにしてもここの座り心地は最高っすねー。少しバランスが悪いのが難っすけど」(モゾモゾ 京太郎「それは座り心地いいとは言わないんじゃ……?」 京太郎(ヤーー!もうイヤーーー!モゾモゾされたら、足にムラムラしちゃうヤラケー感触がいっぱい……!!) 桃子「うーん、どうしたらこのバランスの悪さは改善されるんですかねー…………」(ムムム 京太郎「じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつふうらいまつうんらいまつふうらいまつくうねるところにすむところ…………」(ブツブツ 桃子「そうだ、いいこと思いついたっすよ、京さん!」 京太郎「え?」 桃子「えっとですね、京さんの手をこーして……」(腰に回し 京太郎「ぁ、え……うおっ!?」 桃子「エヘヘ、どうですか京さんシートベルトっすよー」 京太郎(ちょ……う、腕の上の方に……オモチ、オモチが乗ってるすばらな重みが……!?)(ブルブル 桃子「ァ、ンッ……も、もう、腕モゾモゾさせたらいけないっすよ……。その、オ、オッパイに当たってるから……」(テレ 京太郎「ス、スミマセン……」(ガマンガマン 桃子「こーやって私が抱きしめてもらえてるなんて夢みたいっす……」(ウットリ 京太郎「も、桃……」 桃子「フフフ、これはもう京さんの膝の上はステルスモモの独壇場っす!ってやつっすね♪」(手を添えて 京太郎(あ、あ……ヤバいヤバい、切れる、理性がどっか切れちまう……)(無心 桃子「あ、あと、これは他の人には内緒にしてほしいっすけど」 京太郎「な、なんですか?」 桃子「スー……ハー………………わ、私の心は京さんの独壇場っすから、そこのところよろしくお願いしとくっす!」(真っ赤 京太郎「……………………」(プツリ 桃子「きょ、京さん……?」 京太郎「も、もうダメだぁぁぁぁ……!」 桃子「ちょ、急にどうしたっす……ヒャン!?」 こっから先は見せられないのよー
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359734281/ 外では氷雨のように冷たい雨が降っている。 雨に濡れて弱った子猫の声が聞こえる。 ミーミーと、か細く弱い声で鳴いている。 その鳴く子猫を抱いた子供が父親に必死に頼み込んでいる。 厳格な父親に対して泣きそうな顔をしながら頼み込んでいる。 『あ、あのこの子を飼っちゃダメですか……』 『……家は飼えない事をわかっているだろう、元居た場所に返してきなさい……』 『で、でも、この子弱っていて放っておいたら死んじゃうかも……』 『…………元気になるまでの間だけだ、そのあとは飼ってくれる人を探そう。』 『はい! ありがとうございますお父さん!』 懐かしい夢だ、今は離れ離れになってしまったがあの子は元気だろうか。 顔を洗い、着替えて、財布と携帯とイニシャルが入ったハンカチを持って部屋をでる。 ホテルの食堂に着くとみんなが待っていた。 優希「犬ー!おそいじぇ!」プンスコ 京太郎「だー! 抱きつくな! あと犬じゃねぇっての!」アタフタ 和「そうですよゆーき、人を犬扱いしては失礼です。」 みんな各々食べたいものを注文をして持ってくる。 席に着いた面々が手を合わせてから食べていた。 優希「やっぱりタコスは出来たてが美味いじぇ~。」 京太郎「ああもう、口の周りに食べかす付いてんぞ。」 京太郎「待ってろ、今ハンカチで……あれ、どこにしまったかな……」 優希「ハンカチなら犬のポケットから出てあるじょ。」ヒョイ 「触んな!!」 優希「ヒッ!?」ビクッ 京太郎「あ……悪ぃ、それすごい大切な物なんだ。」 優希「まったくびっくりしたじぇ……そんなに大切なものってことは誰かに貰ったものなのか?」 京太郎「……ああ、すごく大切な人から貰ったんだ。」 彼は少し安堵したような顔をした後ハンカチをポケットにしまいました。 それを横目に見ながら食事をしていると私に声が掛けられます。 「和ー!」 京太郎「あ……」 和「あれ、穏乃……どうしたんですか?」 穏乃「和をさっき見掛けたから多分ここにいるだろうと思って。」 和「そうだったんですか。」 京太郎「…………」ジー 穏乃「ん? 君、どこかで会いましたっけ?」 京太郎「いえ……」 穏乃「んー? どっかで会ってる気がするんだけどなー……」 憧「ちょっと! シズ!」 京太郎「!?!?」ガタタン 優希「どうしたんだじょ? まるで突然天敵にあった小動物のような反応だじぇ。」 京太郎「い、いや、なんでもないよ?」 優希「声が上擦ってるじょ……」 京太郎「そうか?」オドオド 憧「えっと、どうかしたの?」 京太郎「ななんでもないです!」ジリジリ 憧「なんでもないって感じじゃないわよ……しかもあんたさっきから少しずつあたしから距離取ろうとしてるわよね?」 穏乃「……私の友達がなんかしたの?」 京太郎「アコは関係ないよ!?」 憧「あれ、あたし名乗ったっけ?」 京太郎「え、えっとインターハイの出場選手だから知っててもおかしくないでしょう?」 和「まぁ、確かにそうですが……それにしてもさっきから挙動がおかしいです。」 京太郎「そ、そうかな?」オドオド 和「……今の須賀君、初めて優希と会った時みたいな態度ですよ?」 優希「ああ、そういえばそうだじぇ。」 優希「犬と初めて会った時、鳩が豆鉄砲食らったような顔したあとやたらキョドってたじょ。」 京太郎「あ、いやだって、それは……」 憧「……ま、いいや。」 京太郎「あぶねぇ……」 それからしばらく穏乃や憧と食事をしながら会話をしていました。 須賀君がやたら憧にビクビクしていたように思います。 憧「そろそろあたしたちは行くわね。」 穏乃「じゃあね、和。」 和「ではまた。」 優希「あれ? 咲ちゃんがいないじょ……」 和「確か先ほどお手洗いに立って……」 京太郎「……まさか。」 優希「多分そのまさかだと思うじぇ……」 京太郎「……探しに行って来ます。」 和「私も行きます……」 溜め息混じりに席を立った須賀君に続き、私も咲さん捜索の為に付いていく。 お手洗いに続く道を歩く途中なにやら須賀君が行動を起こしていました。 須賀君は少ししゃがんで頻りに辺りを見回しています。 和「何をしているんですか?」 京太郎「ん? ちょっと咲の痕跡を探しているんだ。」 和「痕跡? そんなものがどこにあるんですか……」 和「それにしても咲さんは一体どこへ……」 京太郎「……こっちだ。」 和「わかるんですか?」 京太郎「ああ、咲はこっちを歩いていった。」 和「一体どうやって……」 京太郎「付き合い長いからな。」 須賀君が辺り見回しながら咲さん歩いた道を辿るように右へ、左へとうねうね曲がりながら進んでいく。 一体こんな事で咲さんが見つかるのでしょうか。 暫く歩くと見覚えのあるシルエットが見えました。 それはこちらに気付くと今にも泣きそうだった顔を明るくさせてこちらに駆け寄ってきました。 咲「京ちゃん! 和ちゃん!」 京太郎「また迷いやがって……世話掛けさせんなよ……」 咲「ごめんね……」 咲さんに悪態を吐きながら頭をぽんぽんと触る須賀君。 そんな素振り見せないですが、心配していたのを隠すようでした。 傍から見れば結構過保護な気がします。 そんな事に気付いたら不思議と口角があがっていました。 和「うふふ、でも見つかってよかったですね。」 咲「うんうん、ちょっと迷った程度で大騒ぎしすぎなんだよ京ちゃんは。」 京太郎「おう、言うねーさっきまで泣きそうな顔をしてたやつが。」 咲「さ、戻ろうか。」 京太郎「迷った奴が仕切るな。」ポンッ 咲「あいた。」 戻る途中、近道に公園を通ると先ほどまで一緒に居た憧が木の前で右往左往していました。 一体憧は何を…… 和「あれは……」 京太郎「げっ!?アコ!……」 憧「ん? 和たちか……『げっ』て、なによ失礼ね……」 咲「どうかしたんですか?」 憧「うん、ちょっと木の上に猫ちゃんがね……」 見上げると確かに木の上に子猫が居ました。 どうやら登ったいいけど降りられなくなったようです。 京太郎「……ん、ちょっと待ってろ。」 京太郎「よっと。」 彼はそういうと木の下に行き、屈んだと思ったら身体を伸ばし、ピョンと跳ねました。 跳躍したと思ったら彼は木に掴まりスイスイと登っていく。 子猫が居る枝まであっさり辿り着き、そして手を差し伸べ子猫に声を掛ける。 京太郎「おいで、怖くないよ。」 子猫「ニャン。」ピョン 憧「猫が素直ね……」 咲「京ちゃんは動物の気持ちがわかるんですよ、カピバラとかも飼ってるからかな?」 憧「へぇ~人は見かけによらないもんね。」 京太郎「よし、降りるぞ。」 枝に手を掛け、そこから着地して子猫を放してあげる。 彼の身軽さを見た憧が感心するように言葉を漏らしていました。 憧「あんたまるで忍者みたいね、木登りも上手いし。」 京太郎「山生まれの山育ちだからな。」 咲「お猿さんみたいだよね。」 京太郎「咲はいつも一言余計だ。」 子猫「にゃん♪」スリスリ 憧「あんたに感謝してるみたいね。」 咲「京ちゃん猫には好かれるよね、猫には。」 京太郎「『には』は余計だ。」 憧「いいな~あたしも動物に好かれたいわよ……」 京太郎「無理に近づかなきゃいいんじゃないですかね。」 憧「……あんた適当に言ってるでしょ?」 京太郎「いーえ、別に。」 憧「まぁいいわ、猫に好かれる秘訣は今度聞くもの。」 憧「それじゃあね、和。」 和「それでは。」 憧と別れたあと、咲さんを無事送り届けました。 そのあと須賀君に今までの不可解な行動について聞こうとしました、買出しがあると言われて上手く逃げられてしまいましたが。 私は子猫で思い出し、エトペンの身体の脇を見る、そこには動物の爪痕を縫ったあとがありました。 外に出て歩く少し気分を変えたくて。 エトペンを抱えたまま昔の事を思い出す。 奈良に居た時の事。 別れ際にとあるものを渡した事。 そんな事を考えていたら人とぶつかってしまいました。 ドンッ 「きゃ!? すみません……」 人とぶつかりふらついてしまう。 その際大事なエトペンを落としてしまった。 「あ、エトペンが……」 転がっていくエトペンを追いかけて拾いに行く。 転がるエトペンを漸く拾えました。 ですがそこは車道、ここで私は周りに碌な注意を払わず飛び出していたことに気付く。 車道に飛び出した私に向かってくる車。 注意を払わなかった代償は身を危険にすることで払ってしまうことになる。 『注意一秒、怪我一生』とはよく言ったものです。 徐々に迫る車に意識を向けた私の視点が傾く。 そしてその少し前には声と衝撃が…… 「のどか! 危ない!」 聞き覚えのある男の人の声が聞こえた瞬間、私の身体は突き飛ばされる。 振り返った時に見たその金色の頭髪が、私が先ほどまで居たところに立っていました。 勿論、その位置に向かって来る車も彼を狙うかのように…… 彼は車に視線を向けた瞬間硬直して動けていなかった。 車は無慈悲にも彼に食らい着こうとしている。 私はその刹那、恐怖で目を瞑ってしまった。 甲高いブレーキの音。 人のざわめき。 車のドアが開く音。 運転手のうろたえる声。 が、いつまで待っても、どこにも人を撥ねた音はしなかった。 「さっき男の子轢いてしまったと思ったのに……!」 「いないんだ、居ないんだよ! さっきの男の子が!」 私は恐る恐る目を開き確かめてみる。 確かに彼は居ませんでした。 ただ、およそ彼がそこに居たであろう場所には制服が落ちていました。 私は、その制服を手に取り、周りを探しました。 明らかに異様な状況にも関わらず、辺りに彼が居るのではないかと思って…… ですが、結論から言うと見つかりませんでした。 私は手に持った制服を見ながら考える。 ポケットには携帯と、財布と、彼の宝物のハンカチが入っていました。 彼の宝物という事が気になってハンカチを調べてみる。 そしてとあることに気付く。 和「これ、は……」 ハンカチにはN.Hと刺繍が入っていました。 これは昔、私があの子に渡したもの…… あの子とはもう数年会っていない。 彼はあの子となにか関わりがあったのでしょうか…… それに関して知っていそうな友人に聞いてみることにしてみました。 それは前に預かっていてくれた友人。 憧「あれ? 和、どうしたの?」 和「すいません、穏乃にどうしても聞きたいことが。」 穏乃「何でも聞いていいよ。」 和「……あの子……穏乃に預かってもらったひょうちゃんに関してです。」 憧「ひょうちゃん? 確か穏乃が預かっていたあのこだよね?」 憧「しかも穏乃が名付け親だったから結構懐いてた。」 和「そうです、そのひょうちゃんです。」 穏乃「……うん、わかった。」 穏乃「あの子を和から預かった日からひょうちゃんはずっと大人しかったんだ。」 穏乃「まさに借りてきた猫状態だったよ……」 穏乃「家のお店においても大人しいし、みんなから愛されてたんだ、みんなに撫でられて、お店の看板招き猫だって。」 穏乃「和から貰ったハンカチ、首に着けて凄く大事そうにしてた。」 穏乃「ひょうちゃんはよく店の窓から外を見てたよ、誰かが道を通るたびに視線をずらしてた。」 穏乃「今思えば和が来るのをずっと待ってたんだね……」 穏乃「気分転換に散歩とか連れて行ったけどよく辺りを気にしていた、というより匂いを嗅いでいたんだ。」 穏乃「それからひょうちゃんはさ、和が引っ越したあともちょくちょく和が居た家に行ってた。」 穏乃「なんどもなんども行くから、その度にかわいそう思えてさ……私、思わず言っちゃったんだ……」 穏乃「『そこにはもう、和はいないんだよ。』って……」 穏乃「それから少ししてひょうちゃんはいなくなった……」 穏乃「最初は散歩にでも行ったのかなって……お腹空いたら戻ってくるかなって……」 穏乃「でも……ひょうちゃんは帰ってこなかった……」 穏乃「私が……和はもういないって言ったから……探しに行っちゃったんだって思って。」 穏乃「きっと、私のせいだって……」 穏乃の声が震えていた、目尻には薄っすらと涙も…… 穏乃はあの子がいなくなったことが気懸かりだったんですね…… 穏乃「もしかしたら無事、和のところに行ったのかもって思ったけど……和の連絡先も知らなかったし……」 和「穏乃、ありがとう、話してくれて……」 穏乃「うん、今までちょっと言いづらくてさ……」 和「そう、ですか。」 穏乃「何でまた今になって?」 和「もしかしたらですが、ひょうちゃんと会えるかもしれないんです。」 憧「嘘!?」 穏乃「ホント!?」 和「もしかしたらですが……」 憧「あ~! あの子もっかいモフモフしたい~!」ワキワキ 穏乃「憧は動物好きだもんね。」 憧「部屋にはぬいぐるみや飼育本があるくらい好きよ。」 和「もし会えたなら憧も触れるかも知れませんね。」 憧「そのときはよろしくね。」 穏乃達と別れてホテルに戻りました。 そして、彼の部屋へと向かい、ドアをノックします。 中から返事を待つとドアが開きました。 彼は私を見ると少しほっとしたような顔をしていました。 京太郎「和……」 和「先ほどは助けていただいてありがとうございました。」 京太郎「いや……それは……」 和「聞きたい事があるので、中に入ってもいいですか?」 京太郎「……ああ。」 中に入ると荷物を整理している様子でした。 多分、服を漁っていたのでしょう。 彼は着ていた物を置いて事故現場から消えたのですから。 和「これをお返しします。」 京太郎「……こりゃ、どうも。」 和「ところでこのハンカチについてお聞きしたいのですが……」 京太郎「ああ、それがどうしたんだ?」 和「優希がこれに触った時、須賀君は大事な宝物だと言いましたよね?」 京太郎「ああ、そうだよ。」 和「実はこれ、私が奈良から引越しする際にある子に渡したものなんです。」 和「貴方が持っていたということは、貴方はひょうちゃんについて知ってますよね?」 京太郎「……もっと直接言ったらどうだ?」 和「……では単刀直入に言います。」 和「須賀君は、ひょうちゃんなんですよね?」 京太郎「……なんでそう思うんだ?」 京太郎「いつもの和なら『そんなオカルトありえません』って否定するだろ?」 和「……そうですね、でも貴方は嘘は吐かないと思います。」 京太郎「人は猫には化けないだろ。」 和「語るに落ちていますよ、『ひょうちゃんが猫』だなんて私は一言も言っていません。」 京太郎「……はぁ。」 京太郎「俺はもう和が知ってる『ひょうちゃん』じゃないぜ?」 京太郎「元の姿が可愛くなくても文句言うなよ。」 和「構いませんよ。」 私がそう言うと須賀君……いえ、"ひょうちゃん"はみるみるサイズを変えて猫に変わっていきました。 体長約90センチの身体に40~50センチはある長い尻尾。 まるでジャガーや豹のような短い毛の文様。 小さい頃の記憶とは違いますが間違いなく"ひょうちゃん"でした。 「びっくりした?」 和「驚いてはいますがそれよりも嬉しいです。」 和「昔はあれだけ小さくて弱々しかったのに……」 「そうか、やっぱり昔からのどかなんだな。」 和「? どういう意味ですか?」 「そのままの意味だよ、昔からその優しさは変わっていない。」 「昔から人間っていうのは匂いが変わらないな。」 和「もしかして憧のことですか?」 「ああ……うん、あいつは無茶苦茶にしてくるから苦手だ。」 和「うふふ、憧は動物が好きですからね。」 「それはわかってはいるんだけどな。」 「一体幾つの仲間が魔王アコの犠牲になったのやら……」 「まぁアコも成長して少しは大人しくなったのかな?」 和「……聞いても良いですか?」 「なんだ?」 和「その……ひょうちゃんが須賀君になった理由とか。」 「……俺さ、のどかが居なくなった日から探していたんだ。」 「家まで匂いを辿って。」 「その時はシズノも一緒にいたけどさ。」 「何度も行くとシズノが寂しそうに教えてくれたよ。」 「『のどかはもういない』って。」 和「ええ、知っています、聞きましたから。」 「でさ、俺さ、思っちまったんだ。」 「捨てられたんじゃないかって。」 和「!……」 「もしかしたら何かの間違いじゃないかとも思ったけど、仲間の猫も捨てられた奴がいたんだ。」 「家猫だったけど、もう飼えなくなったから捨てられたんだって……そいつは言ってた。」 「でも、俺は諦め切れなかった、認めたくなかった。」 「のどかに捨てられた事に、どうしても思い出を忘れられなかった。」 「のどかの匂いも、初めて抱いてもらった時の温かさも、忘れられなかった……」 「だから俺はのどかを追いかけたんだ、シズノや可愛がってもらった周りには申し訳なかったけど。」 「長かったよ、のどかを捜す旅路は……」 「烏や野生動物に襲われたりもした。」 「悪ガキにも追いかけられたこともあった。」 「宛てがわからない旅に疲れて、疲れきって、倒れて、 もう死ぬんだろうなって思ったときさ……俺を助けてくれた老夫婦がいたんだ。」 「倒れてから何時の間にか俺は人っぽいの身体になっていた、 そんな事どうでもよかったけど……須賀さん……俺を拾ってくれた人だが。」 「爺ちゃん婆ちゃんは必死に介抱してくれたんだ、どこの生き物かわからないような俺を。」 「優しい人たちで今でも感謝してるんだ。」 「介抱してもらったときに名乗ったんだけどさ、俺餓死寸前だったし、 なにより人の言葉を喋ったの初めてだったから上手く言えなかったんだ。」 「ちゃんとシズノが付けてくれた『豹太郎』って言う強そうな名前を貰ったのにな……」 「それから京太郎って名前になっちまったよ。」 「そのあと学校にも通わせてもらってさ。」 「咲にあったのもそこらからかな。」 「これが俺が人間っぽくなるまでのそして須賀を名乗る話だ。」 和「そうだったんですか……」 「助けてもらった爺ちゃんや婆ちゃんに恩返ししたかったから、のどかを捜すのを辞めて一緒に住んでたんだ。」 「でも、高校に入ってから懐かしい匂いがしてその匂いを辿っていくと麻雀部に行き着いたんだ。」 「ドアを開けると……のどかがいた。」 「嬉しかったよ、でも俺は名乗れなかった、昔とは違う姿だったから。」 「ついでに小さい頃のアコに似た女が居てびびったぜ?」 和「優希は確かに小さい頃の憧に似ていますからね。」 「まぁ匂いで違う人間だってわかったけど中々なぁ……」 和「そんなに憧が苦手だったんですか?」 「俺を捕まえて無茶苦茶撫でてくるじゃん……」 「禿げるかと思ったよ。」 「あいつは動物好きにも程があるよ。」 和「うふふ、そうですか、憧の猫可愛がり困ったものですね、憧にはちゃんと言っておきますよ。」 「なぁ、のどか。」 和「はい?」 「ちょっとだけ甘えて良いか?」 和「ええ。」 私はベッドに腰掛、ひょうちゃんは私の膝の上に乗ってくる。 撫でて上げるとゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らしています。 スリスリと頭を擦り付ける動作。 まるで昔に戻ったようでした。 「ありがとう、元気が出たよ。」 和「いえお安い御用ですよ。」 「あとさ……のどか、一応言っておきたかったんだけど……」 和「はい?」 「実はさ、前々からこの姿を見せたら俺、姿を消そうと思っていたんだ。」 和「そんな……」 「わかるだろ……俺はのどか達とは違う、人じゃない……かといってただの猫でもないんだ。」 「文字通り住む世界が違う。」 「……それじゃあな。」 和「ひょうちゃん!」 追えば彼は逃げるでしょう。 本気で逃げたら人の足では追いつけない。 それほどに私たちには隔たりがあり、埋められない溝がある。 それでも私は…… 追わなくては……今追わないと一生後悔すると思い、私は部屋を飛び出していた。 公園近くを猫が一匹、色々と思い悩みながらトボトボと歩いている。 (どうすっかな……爺ちゃん婆ちゃんにも会わないといけないし……) 「あ、猫ちゃん!」 (あ!? この声にこの匂いは!?) 憧「あんたあの子に似て可愛いわね~」ワキワキ 憧「ほれほれおいで~」 (猫じゃらしだと? へ、甘く見られたもんだぜ。) 憧「ほらほら~」 (散っていった多くの仲間の為にもこんな奴に屈してたまるか!) (絶対猫じゃらしなんかに負けたりしない!!)キッ 「にゃ~ん♪」 憧「やっぱりこれを使うとイチコロね~。」 (本能には勝てなかったよ……) (てかマタタビは反則だろ!) 憧「もしかして和が言ってたアレってこの子のことかしら?」 (!? まずい!) 憧「ちょっと和に連絡取るから大人しくしててね、猫ちゃん。」 (和に居場所バレるのはまずいって!) (何とか逃げないと……) 憧「うりうり~猫ちゃんは大人しくマタタビを嗅いでなさ~い。」 (くやしい…!でも…嗅いじゃう!)ビクンビクン 和「ありがとうございます。」 憧「いいのいいの、すっかりこっちも楽しませてもらっちゃったし。」ツヤツヤ (お婿にいけない身体にされてしまった……)シクシク 憧「で、やっぱりこの子ってひょうちゃんなの?」 和「ええ、ですから再び会えたのが嬉しいんです。」 和「それなのに逃げ出してしまって……」 和「でも、もう逃がしません。」 和「首に縄を付けてでも一緒に帰ります。」 憧「そう、ならまたあたしにも触らしてよね。」 和「うふふ、ええ構いません、ひょうちゃんが嫌がらない程度でしたら。」 憧「うん、和なら言ってくれると思った……あ、シズにも伝えなきゃ。」 和「きっと喜びます、穏乃もこの子も。」 憧「じゃあ、あたしシズに伝えてくるわね~。」タタタタッ 和「……もう、逃げないでくださいね?」 「でもさ、俺は人間でも猫でもないんだぜ?」 和「そんなのどうでもいいです。」 「……俺の意思は?」 和「そんなの知りません。」 「結構、のどかって頑固だよな……」 和「頑固で結構です。」 「ま、そのおかげで俺は生きてるんだけどさ……」 和「さぁ、帰りましょう、みんなが待ってます。」 和「あと人の姿格好で匂いを嗅がないでくださいよ? 怪しまれますから。」 「え、バレてた? さりげなくやってたつもりなんだけどな……」 和「気付く人は気付きますよ、猫だってバレないのが不思議です。」 「いやいや、目の前で変わらないかぎり大丈夫だろ。」 和「色々猫とバレ無いように特訓しないとですね。」 「麻雀の特訓の方が有意義だと思うんだけどなー……」 和「ほらほら~」 京太郎「…………」 優希「咲ちゃん、犬の奴、のどちゃんと何してるんだじぇ?」 咲「さぁ……猫じゃらしを目の前で揺らして何やってるんだろうね……」 京太郎「……んにゃー。」 優希・咲「え?」 和「ちょっ!?」 京太郎「す、すまん……何とか誤魔化してくれ……」ボソボソ 和「お、お前ネコかよー!?」 京太郎「ん、ンアーッ!」 和「無理矢理すぎませんか……」 京太郎「大丈夫、あの二人ならこれで誤魔化せると思う……そんな気がする……」 咲「京ちゃんがおかしい……」 優希「のどちゃんもおかしいじぇ……」 和「…………」 京太郎「……すまん。」 和「これからも頑張りましょう……」 京太郎「ああ、そうする……」 カンッ!
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郁乃「今日はごめんねー、部の備品買い込むんに男手ほしかったんよー」(アッチへひょこひょこ 京太郎「い、いえいえ、このぐらいだったら……ええ」 郁乃「やっぱり男の子がおると違うねー、頼りになるわー」(コッチへふららー 京太郎(せわしないっ……翻弄されている……!)(キョロ……キョロ…… 郁乃「えへへー……こーやって並んで歩いてるとー」(ダキー 京太郎「ちょっお……!?」 郁乃「なんやー、仲のええカップルー、って感じやねー」(腕組み 京太郎(二の腕に感じる……この感触、オ、オッパイかっ……!ていうか、なんだ……適度に押しては返す絶妙な力加減はっ……!?)(須賀に電流走る! 郁乃「どしたんー、須賀君。なんやー、歩き方ぎこちなくなってんでー?」(フニフニ 京太郎「い、いいえ、ソンナコトナイデスヨ?」 郁乃「ふーん、じゃあ買い出しは終わったし、今日はこのまんまデートしよなー♪」(キュムキュム 京太郎「ぁ、ヤメテ、それ以上はいけない……!」(ざわ……ざわ…… 京太郎(和や絹恵さんなんかと比べれば取るに足りない、世間的に見ればフツーのオモチだというのにこの威力……だと……!?ややややべえ、落ち着け……麻雀やってる時のリスペクト精神を使えば、たかがオモチの一つや二つ堪えられるっ……!)(ざわ……ざわ……! 郁乃「えー、あかんの?」(フニュー 京太郎「ダ、ダメじゃないけどダメなんですよ……わかってください、それぐらいっ……!」 郁乃「だからー…………あ・か・ん・の?」(囁き艶声 京太郎(ク、クリア・マインドッ…………リミットオーバーアクセルシンクロォォォォォーーーッ……!!)(京太郎、覚醒っ……! 郁乃「もー、つれへんわー…………もしかして、根腐れしとるー?」 京太郎「失敬な!?」(京太郎、愕然っ……! 洋榎「…………買い物してる時に見かけて、うち差し置いてなにおもろそーなことしてんやー、つっこんだろ思ったら……」(ウギギ 絹恵「お姉ちゃーん、これ以上デバガメしててもダメージ負うだけやってー、もう帰ろーよ」 洋榎「オッパイか、しょせん女の器量はオッパイで決まるってか!」 洋榎「うぅぅ……京太郎のアホーっ!」(ウェーン 絹恵「あぁ、お姉ちゃんがグリコの人みたいなカッコで走っていってしもた!?」 絹恵「お、追いかけなデバガメと、その前にメール、メール」(ペコペコポン 京太郎「うわっ……メ、メール?」 郁乃「えー、誰からー?」 京太郎「なにナチュラルに人の携帯覗きこんでるんすか!?」 郁乃「ええやんー、私と須賀君の仲やんー♪」 京太郎「姫松の監督(代行)と他校の生徒の間柄のはずですけど!」 京太郎「ええい、と、とりあえずメールの確認だけは…………?」 郁乃「うーん?」 絹恵『虫酸ダダダッシュ!(゜д゜)、ペッ』 京郁「???」 一度終われ
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341225918/ 咲「ツモ。4000オールです」 久「ふぅ、須賀君のトビで終わりね」 優希「うがー、この馬鹿犬!お前のせいで優希ちゃんの華麗な逆転劇が始まる前に半荘終っちゃったじょ」 京太郎「うっせえ、俺だって好きでとんだ訳じゃないつーの!」 優希「犬の分際で口答えとはなまいきだじぇ」 咲「まあまあ優希ちゃん、抑えて、抑えて」 和「そうですよ優希、今回は須賀君の打ち方が悪かったという訳ではなく単純に宮永さんの調子が良かっただけです。現に部長と優希の点数も残りわずかだったでしょう」 優希「うぐぅ、それを言われると言い返せないじぇ……」 京太郎「和マジ天使」 優希「ぐぬぬ」 久「いやー、それにしても今日の咲にはまいったわー。この調子なら全国も余裕ね」 まこ「まさに鬼神のごとき鬼ヅモだったからのお。咲の後ろに世紀末覇者が見えたわ」 咲「もう二人ともからかうのはやめてくださいよ。今日はたまたまですよー」 京太郎「ちくしょー!久しぶりに卓に座れたっていうのにこんなのあんまりだー!!」 咲「ふふふ、でもわたしは久しぶりに京ちゃんと麻雀できて楽しかったよ!」 京太郎「咲…お前……」ホロリ 咲「だって、京ちゃんが卓に入ったらビリになることはないもん」 京太郎「そんなことだろうと思ったよ!ちくしょう!」 咲「あはは」 久「あら?もういい時間ね、みんなそろそろ帰るわよー」 まこ「暗くなる前に帰らんと」 優希「かわいいのどちゃんはお家に帰る時間だじぇ」 和「どういう意味ですか?」 久「あんまり帰りがおそい時間になると、和みたいなかわいい娘は変質者に襲われちゃうかもしれないから早く家に帰りなさい。てことよ」 和「ななななにを言っているんですか!そんなことあるわけないですよ!!」 久「いやー、そんなことないと思うわよ。あなたも暗い夜道の中、和が一人で歩いてたらついつい襲っちゃうでしょ?須賀君」 京太郎「話題の振り方も内容も最悪ですよ部長!!」 咲「……」 京太郎「咲さん、無言で足を踏むのをやめてください」 和「須賀君……」 京太郎「和、これは誤解だ!だからそんな悲しい目で俺を見ないでくれ!!」 まこ「ここだけ切り取ってみると、本妻に浮気がばれた駄目男みたいでおもしろいのー」ニヤリ 優希「わたしは会社の上司役を希望するじぇ!」 京太郎「お願い!悪乗りしないでこれ以上は収拾つかなくなるから」 ワイワイガヤガヤ 京太郎「部長!さっきの言いがかりを早く訂正してくださいよ!」 久「あはは、ごめんごめん。みんなが面白い反応してくれると思ったからついね」 京太郎「完全に部長は遠巻きに楽しんでましたけどね」 久「うん、意外に思うかもしれないけど私Sなの。だから自分に被害が及ばないところで人が酷い目に合ってるのを見るのが大好きなの!」ニコッ 京太郎「部長、あなたがドSなのは意外でも何でもない周知の事実ですし、なにより後半部分に関してはただの性格の悪い女性みたいになってますよ!」 久「私が性格が悪い女ですって?映画13日の金曜日でジェイソンに感情移入できるこの私が!?」 京太郎「部長!そのフォローは全く意味がないです!逆に先ほどの自分は手を汚さず高みの見物をしている知的な悪党っぽいイメージに猟奇的な殺人鬼までプラスされて、なんかもう知性と力を併せ持つ稀代の殺人鬼みたいなイメージになっちゃってます」 久「そういえば、須賀君て結構かっこいい顔してるわよね。うふふ、食 べ ち ゃ い た い ぐらい」二コリ 京太郎「なんで今のタイミングでそんなこと言うんですか!普通に怖いですから、いつもは素敵な笑顔が逆に怖いですからー!」 久「冗談よ、須賀君があまりにもいいリアクションするからついつい遊びすぎちゃうのよ」 京太郎「さいですか……」ゲッソリ 久「それはそうと、皆の誤解もそろそろ解かないとね」 京太郎「お願いします」 久「オーイ!皆、さっき言ったことは私の冗談だから須賀君のこと誤解しないであげてね!須賀君は夜道で一人歩いてる女の子をどうこうする男の子じゃないわよー」 咲「そ、そうだよね!京ちゃんに限ってそんなことするわけないよねー。わたしも部長の冗談に乗ってみただけだから、京ちゃんがそんなことしないって知ってたよー」 京太郎「おい、咲……俺の眼を見て話せ」 咲「ヒュー、フシュー」 京太郎「お前が口笛のつもりでやっているそれ全然音でてないから、ただ口から息をはいてるだけだからな」 和「須賀君ごめんなさい……、同じ部員である仲間を疑ってしまうなんて私最低です……」ホロリ 京太郎「和……、わかってくれたならいいよ!俺も気にしてないしさ」 和「でも……」 京太郎「いいって誰にだって間違うこと位あるし、今後こうゆうことがないように気をつけていけばいいだけの話じゃないか」 和「須賀君……、そうですね!ありがとうございます須賀君」ニコッ 京太郎「おう!(和ちゃんマジ大天使ミカエル)」 和(チョロイですね)ニヤリ まこ(あまいのー) 優希(チョロアマだじぇ) 京太郎「まあ、なんにせよ皆の誤解が解けてよかったよ」 久「そうね、誤解が解けてよかったわね須賀君」 京太郎「はい、ありがとうございました!(誤解の原因の8割くらいは部長にあると思うが、口に出したら怒られそうだから言わない)」 久「大体普通に考えたらわかるはずじゃない。須賀君が夜道で襲うなんてことするはずないのにねー」 京太郎「全くもってその通りですよ!俺がそんなことする男に見えるのかって話ですよ!」 久「そうよねー、須賀君が女の子を襲っちゃうのはロッカーの中だけだよねー」 京太郎「そうそう、俺が女の子を襲っちゃうのはロッカーのって……あれ?」 久「部室内の狭いロッカーの中で女の子と二人きりで出るに出られない状況になった須賀君は女の子の髪や首筋から香る、女の子のにおいに自分が抑えきれなくなってほとばしる若いパトス(情欲のみ)をそのまま、わた『それ以上いけない!!!』」 京太郎「なんてこと口走ってくれてんだ!!あんたわ!!」 久「あら、事実じゃない?」 京太郎「事実だけれども!!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「ひっ」 優希「犬……、今部長が言っていたいやに真実味を帯びた生々しい話しはどうゆうことだじぇ」 京太郎「落ちけつ優希」 まこ「まずはお前が落ち着け」 和「いま、須賀君事実って……」 京太郎「違うんだ和!これは別の世界線の話で」 咲「京ちゃん」クルクル 京太郎「咲、待ってくれ!これは誤解なんだ!」 咲「京ちゃんはエッチだなあ」グルグル 京太郎「咲……、お前の右腕なんか回転してね?」 咲「エッチな京ちゃんはロッカーの中で何しちゃったんだろうね?」ギュルギュル 京太郎「いやいやいや、絶対回転してきてるって!心なしか音も激しくなってきてるし!!」 咲「わたしに教えてよー京ちゃん」ニコッ ギュオーンギュオーン 京太郎「(このままじゃヤバイっ)咲……よく聞いてくれ。部長が言ってたあれは嘘なんだ、作り話なんだ、だから俺が女の子と一緒にロッカーに入った事実なんてない。つまり、ロッカーの件はさっきのと同じく部長の冗談なんだ」 咲「ほんとう?」くるくる 京太郎「あぁ!そうだ!(回転が遅くなっていく)」 咲「ひどいですよー、部長冗談だったんですか?」 京太郎(今だけでいい、部長……空気を読んでください) 久「えっ?事実だけど(そういう物があるのは)」 京太郎「あんたって人はーーーーーーーーーーー!!!!!」 久「言ったでしょ須賀君……」 久「私Sなのよ!」ドヤッ 京太郎「くっ(殴りたいこのドヤ顔……)」 咲「京ちゃん……、なんで嘘ついたの?」ギュオーンギュオーン 京太郎「咲!」 咲「嫌っ!もう聞きたくない!!」ギャレオンギャレオン 京太郎(あっ!これもう助からないわ) 咲「京ちゃんの」バリバリバリ 京太郎「なんか帯電し始めてるぞ!お前の右腕!!」 咲「ばかぁーーーーーーー!!」ドゴォーーーーン 京太郎「8100オール!!!!!!」バタンキュー 優希「親倍だじぇ」 まこ「なぜか一本場ついとるのお」 和「どんな手だったんでしょうか?」 久「あらら、さすがにやりすぎちゃったかしらね」 まこ「からかうのも、ほどほどにしておかないと京太郎の身がもたんぞ」 久「わかっちゃいるんだけどねぇ……。咲の誤解も解かないとね」 説明中 咲「そうだったんですか……」 久「ごめんね、咲のリアクションが面白くてつい羽目を外しすぎちゃったわ」 咲「いえ、それで京ちゃんは大丈夫なんですか!?わたし京ちゃんに酷いことしちゃって」 久「それなら大丈夫よ。気を失ってはいるけど幸い怪我とかはしてないわ」 咲「よかった…。でも、京ちゃんに酷いことしたのは事実だし京ちゃん許してくれるかなあ……」 優希「京太郎ならきっと許してくれるじぇ!」 和「そうですよ宮永さん、須賀君は優しい人ですからきっと許してくれますよ」 まこ「それに責任の大半は部長にあるしのー」 久「うぐっ、反省してるわよ……」 久「それより、あなた達は早く帰りなさい。もう外も真っ暗になってるわよ」 まこ「あなた達はって、部長はどうするつもりなんじゃ?」 久「須賀君が目を覚ますまでここで待ってるわ。もともと私のせいでこんなことになったんだもの、これ位のことはさせてもらうわ」 咲「それならわたしも!」 久「だめよ」 咲「どうしてですか!?」 久「理由は二つあるわ。一つはこれ以上遅くなってしまうと心配してる親御さんに申し訳が立たないとうこと、もう一つはもし教員が見回りに来ても学生議会長である私は色々と言い訳できるけど、咲はそういう訳にもいかないからよ」 久「だから今日は諦めて明日謝りなさい」 和「宮永さん、須賀君が心配なのはわかりますが幸い怪我もないわけですしすぐに目を覚ましますよ。ここは部長の言うとおりにして、明日謝るのが一番いいと思いますよ」 咲「……そうだね原村さん。わかりました、明日謝ることにします。でも部長、京ちゃんが目を覚ましたらわたしにメールください。やっぱり心配なんで……、お願いします!」 久「ええ、お安いご用よ」 優希「それじゃあ、のどちゃんが襲われないように帰るとするかだじぇ」 咲「それでは部長、京ちゃんのことよろしくお願いします。失礼します」 和「失礼します」 まこ「またのー部長」 バタン 久「ふぅ……」 久「ついついやりすぎちゃう。悪い癖ね……」 久「ごめんなさいね、須賀君」 久「うーん、それにしても須賀君が起きるまで何してようかしら」 久「読書でもしようかしら」 久「!」 コソコソ 久(こんな機会じゃないと須賀君の顔をじっと見る機会なんてないし) 久(須賀君が起きるまできれいなお顔を観察してましょうかね)ニヤリ 久(それでは失礼して) 久(ふぅ、やっぱり須賀君ってイケメンよね。ちょっとチャライけど顔立ちはきれいだし) 久(睫毛長いし) 久(肌もきれいだし、お手入れとかしているのかしら?) 久(……実に妬ましいわね) 久(ふふふ、唇の皮がめくれちゃってるわよ) 久(本当、黙ってればかっこいいのに) 久(その気になってちょっと頑張れば、彼女なんてすぐに出来ると思うわ。がんばれ!須賀君)クスクス 久(彼女ねぇ) 久(……) 久(須賀君の彼女ねぇ……、誰がお似合いかしら) 久(やっぱり幼馴染の咲が一番お似合いかしら?) 久(あんまり派手なデートとかはしないでお互いの家を行き来するような家族ぐるみの付き合いが似合いそうね) 久(だけどしっかり咲の尻に敷かれてる。そんな感じがするわ)クスクス 久(和はどうかしら?) 久(……………………) 久(全く思い浮かばないわ) 久(須賀君には悪いけど和と付き合うことになってもあんまり上手くいきそうにないわね) 久(優希は言わずもがなね。きっと毎日が楽しく過ごせると思うわ!(主に優希が)) 久(須賀君がなけなしのお小遣いをはたいて栄養ドリンクを買う姿が目に浮かぶわ……) 久(まこはどうかしら?) 久(うん) 久(いいと思うわよ!以上) 久(結論としては、やっぱり幼馴染の咲が一番相性よさそうね。次点で優希かしら?) 久(…………) 久(ふぅ……) 久(私が頭の悪い女の子だったらよかったのに) 久(どうして気づいちゃうかなあ……) 久(こうやって、自分を除いて考えようとしてたのが何よりの証拠よね……) 久(意識してるのバレバレじゃない) 久(はぁ) 久(恨むわよ須賀君) 久「イケメンになびくような女じゃないつもりだったのになー」 久「咲や優希も絶対須賀君に好意を持ってるわよね……」 わざわざ声に出して言うことじゃない。そんなことはわかっていた 久「だいたいなんでよりによって須賀君なのよ!顔がいい男なんて他にもいくらでもいるじゃない!」 顔だけじゃない。そんなことはわかっていた 久「須賀君なんてただのチャラ男よ。なんでそんな男好きになったの!?」 須賀君がもし起きてたら聞かれてしまう。そんなことわかっていた 久「だいたい私は本当に須賀君のこと好きなの?勘違いっていう場合もあるはずでしょ」 虚勢を張って自我を保とうと必死になっている。そんなことわかっていた 久「嫌いよ……、須賀君なんて」 口に出してしまった言葉が怖かった。本当に須賀君のことが嫌いになってしまいそうで怖かった。 久「今のは嘘よ」 だから 久「私は」 私は 久「須賀君のことが好き」 須賀君のことが好きだ。そう自覚できた。そんなことはとっくにわかっていたけど 久(結局認めたくなかっただけなのよね) 久(普段大人ぶってるけど、私もまだまだ子供ね) 久(好意を自覚してるであろう咲たちの方がよっぽど大人だわ) 久(はぁ、自己嫌悪だわ) 久(須賀君まだ寝てるかしら) 久(今の聞かれたなら聞かれたで別にいいけど(どうせ面と向かって告白なんてできないし)) 久(なんだ、まだ寝てるのね) 久(乙女の情けない告白を聞かれなくてよかったと思うべきか、タイミングを逃して残念と思うべきか) 久(……よかったと思っときましょう。そうでなきゃやってられないわ) 久(そういえば須賀君、ただ寝てるだけみたいだし起こしても大丈夫みたいね) 久(………………) 久(こんな時間まで付きっきりで看病してあげたんだから、報酬はあってしかるべきよね) 久(そうよ!いくら私のせいでこんな状況になってしまったことを差し引いても報酬はあってしかるべきのはずよ!間違いないわ!!) 久(………………) 久(それじゃあ、報酬として何を頂こうかしら) 久(お金とかはさすがにゲスイからなしとして) 久(うーんどうせなら、この状況でしかできないことがいいわね) 久(閃いたわ!この状況のお約束として、寝ている異性にチューしようとし、いざチューしようとしたら抜群のタイミングで寝ていた人が目を覚ますっていうあれをやってみましょう!) 久(須賀君が目を開けてくれたら成功で須賀君が目を瞑ったままなら罰ゲーム!いいわね面白そう) 久「それでは」コホン 久「須賀君起きてー」ゆさゆさ 久(起きるなよー) 久「もう!早く起きてよ」ゆさゆさ 久(起きるな!絶対起きるな!) 久「むぅ、起きないとチューしちゃうぞー」 久(相変わらずかっこいいわね、この男は) 久「須賀君、まだ寝てるの?」ゆさゆさ 久(ごめん咲、優希、私……もぅ) 久「……本当にチューしちゃうわよ?」ゆさゆさ 久(須賀君は私のものよ)キリッ 久「……須賀君が悪いんだからね」ハァハァ 久(近くだと須賀君の匂いがするな……いい匂い)クンカクンカ 久「それじゃあ、失礼して」ハァハァ 久(首筋にキスマーク付けちゃおうかしら)スーハー 京太郎「……部長何やってるんです?」 久「……」 久(オワタ) 京太郎「あのぉ、なんで俺の身体の上に部長が馬乗りになってるんですか?状況が全然分かんないんd「chu」…………えっ?」 久「こういうことよ」 京太郎「」 久「私は須賀君のことが好き。だからキスしたくて寝込みを襲ったのよ」 京太郎「いや、え?部長が俺のことが好き?それに後半は、そんなあけっぴろげに言う内容じゃないでしょ!?」 久「むらむらしてやった反省はしている」 京太郎「あれ、なんでだろう反省しているはずなのに印象は最悪になった」 久「そうよ。こんな女でドン引きしたでしょう。ごめんなさい」 京太郎「はい。ドン引きしました」 久「ドン引きしたんだ……」 京太郎「あっ!でもほら、いい意味でのドン引きですから!!」 久「須賀君て、おそろしくフォロー下手ね」 京太郎「はい、すいません……」 久「謝らなくていいのよ須賀君。私はそんなあなたを好きになったんだから」 京太郎「部長……」 久「ふふふ」 京太郎「いい感じの雰囲気を作って、俺の寝込みを襲った話を逸らそうとしていませんか」 久「そそそそんなことないわよよよぉ」 京太郎「物凄く動揺した!?」 久「ふぅ、冗談はこれくらいにして改めて謝罪するわ須賀君ごめんなさい」 京太郎「正直に話してくれましたし許しますけど……」 久「許してくれるの?やっぱり優しいのね、須賀君」 京太郎「まあ、さっきされたキスだって嫌な気はしませんでしたし」 久「あら?これって、私脈ありと思っていいのかしら」 京太郎「部長は綺麗ですし、キスされたら俺を含めて大抵の男は喜ぶと思います」 久「ありがとう。須賀君、私とってもうれしいわ!」ニコッ 京太郎「かわいいいいいいいいいいいい」 久「そうだ!須賀君、告白の返事のことなんだけど」 京太郎「はい」 久「明日の放課後まで待ってもらえないかしら」 京太郎「それは別にいいですけど……なんでですか?」 久「抜け駆けはいけないでしょ」 京太郎「はぁ?そうですね」 久「という訳で、今日はもう帰りましょうか」 京太郎「そうだ!今何時って……、もうこんな時間!?あれ?そういえば俺なんで寝てたんだっけ……」 久(咲にメールしとかないと)ピロリン 久「須賀君もう部室閉めるわよ」 京太郎「あっ、はい(まあいいか、いいことあったし結果オーライだ)それじゃあ、部長帰りましょうか」 久「こんな時間まで待っていてあげたんだから、私の家までエスコートしてくれるんでしょ須賀君?」 京太郎「そりゃあこんな真っ暗の中、女性を一人で帰らせるなんてことできませんよ。お供します」 久「京ちゃんマジ紳士」 京太郎「茶化すなら、帰りますよ」 久「ごめんごめん須賀君といるとついつい、いじりたくなっちゃうのよ」 京太郎「どうせ俺はいじられ気質ですよ……」 久「違うわよ、そんな理由じゃないわ」 京太郎「ではなんでですか?」 久「好きな子を見るといじめたくなっちゃう。そういうことよ」 翌日の放課後 京太郎「昨日、あんなことがあったから部長と顔を合わせづらい」 京太郎「あっけらかんとした部長のことだ、きっとすでにみんなに公表しているよな……」 京太郎「はぁ、今から盛大にいじられるとなると気が重いな」 京太郎「今日は部活休もうかな……」 京太郎「いやいやいや、それはいかん!こういうことはちゃんとしなきゃ駄目だ」 京太郎「覚悟を決めろ!須賀京太郎、進む道は修羅道なれどここで背を見せれば男が廃る!」 京太郎「いざゆかん」 バタン 京太郎「たのもー!」 優希「遅いじょー犬ー」 和「もうとっくに部活始まってますよ」 まこ「堂々と遅刻するとはいい御身分じゃのー京太郎」 咲「京ちゃん!」 京太郎「すいません、掃除当番で遅れちゃいました」 まこ「なんじゃ、そういう事情があるなら仕方ないの」 優希「犬のことだから、遅刻の言い訳のための嘘かも知れないじょ」 京太郎「そんな嘘つかないっつーの!クラスの中でせっせと机運んでたわ」 咲「そういえば京ちゃん掃除当番だったね、ごめんね、忘れちゃってたよ」 京太郎「いや、こればっかりはしょうがねぇよ。普通他人の掃除当番の日程なんて覚えてるわけないもんな。咲に伝え忘れた俺の落ち度だ」 和「今度から気をつければ問題ないですよ。そうですよね部長!」 久「そうねぇ、事前に連絡がない状況で掃除が長引いてしまったら無断欠席と捉えられてもおかしくないのよ。そういう事態を防ぐために連絡はしっかりしましょうね須賀君」 京太郎「はい!以後気をつけます」 久「うん、いい返事」 咲(自称京ちゃん検定、段位持ちのわたしにとって掃除当番なんて知ってて当然のことなのに……もっと精進しなきゃ) 久「それじゃあ、さっきの続きから再開しましょう。咲、和、まこは卓に戻って」 久「須賀君と優希はひとまず見学、もしくはネット麻雀をやっててもいいけど、どうする?」 京太郎「俺は皆のを見学してます。人が打ってるのを見るのも勉強になりますし」 優希「じゃあ、優希ちゃんは犬をじーっくりみてるじぇ!」 京太郎「……それなんの意味もないだろ」 優希「犬の一挙手一投足を事細かに実況し解説を交えて紹介していく番組だじぇ」 京太郎「そんな番組があってたまるか!!そういうのいいからお前も一緒に見学するぞ」 優希「しょうがないじぇ、飼い犬がキャンキャンうるさいから飼い主様が一緒にいてやるじぇ。感謝するんだじぇーいぬー」 京太郎「はいはい、ありがとうございます」 優希「そうだじぇ!見学する前にタコスを買いに行くじょ!付き合え犬」 京太郎「へいへい、わかりましたー。お供しますよー」 優希「というわけで、行ってくるじょ部長」 久「わかったわ、行ってらっしゃい」 京太郎「はい、行ってきまーす(感じからすると、どうやら部長は昨日のことを皆に言ってないみたいだな……)」 バタン 和「須賀君、優希の扱い方上手になりましたねー」 まこ「優希の言うことに従っても、たずなはしっかり握ってコントロールしているそんな感じかの」 久「あら、そうかしら。もしかしたら、犬根性が身に着いてしまって優希をご主人さまと認識してるのかもしれないわよ」ニヤニヤ 咲「そんなことないですよ部長!京ちゃんは意外と要領いいから、日々の経験の中で優希ちゃんの気持ちを酌みつつ自分の要求も通す。そいうことができるようになっただけですよ」 久「あはは、冗談よ。咲の言う通りだってことは、あの二人を見てたらわかるから心配しないで」 まこ「部長の言うことは無駄に説得力があるから怖い」 和「そうですね……少し考えればそんなことはありえないということがわかるんですけど、それをさせない力がありますね」 まこ「詐欺師のそれと同じじゃな」 和「そうですね」 久「ちょっと二人とも失礼なことを言わないでちょうだい。詐欺師みたいって……、もっと別の言い方があるでしょう」 まこ「部長は嘘つくのが上手い」 久「……なんか余計酷くなった気がする」 和「気のせいではないです。シンプルになったせいで余計酷くなりました部長」 久「はぁ、もうそれでいいわ。いちいち突っ込むのもめんどくさいし」 まこ「えぇー、もっとノってきてくれてもええじゃろー部長」 和「いけずですー部長」 久「あんた達キャラのブレが酷いわよ。特に和」 まこ「京太郎だったらもっとノってきてくれるのにのー」 久「わたしに須賀君ばりの返しを求められても困るわよ」 和「それはそうと、最近の須賀君は優希を甘やかしすぎだと思いませんか?」 まこ「確かにのぉ。もしかして犬根性としてじゃなく、龍門渕の執事みたいに半ば忠義として優希に仕えてるのかもしれないのー」ニヤニヤ 咲「そんなことありえないですって!」ムゥ 久「須賀君が義理立てしようと思うような高尚な行為を優希がするわけないでしょ……」 咲「ですよねー!部長、京ちゃんに限ってそんなことありえませんよね」 久「」ニヤリ 久「そうね、須賀君が優希をご主人様として思っているのかもしれない、そんなことはあり得ないわよ」 久「でもね咲、もしかしたら優希と須賀君が特別な関係になるかもしれない、そういう可能性があることも事実なのよ」 咲「どういうことですか!?」 久「えっとね、優希が須賀君にちょっかいをかけては我儘を言って言うことを聞かせているのは知ってるわよね?」 咲「二人が毎日の様にやってるやり取りですから、もちろん知っていますけど……」 久「実はそれが問題の焦点でね。男女共通の異性に惚れる条件の一つとして、「こいつには自分が付いてないとだめだ」と思うというものがあるのを、咲は知っているかしら?」 咲「はい、雑誌とかにもよく載っている内容のものですし、もちろん知っていますけど、それが関係あるんですか?」 久「そうよ。先に結論を言ってしまうとね、二人がこのような関係を今後も続けていくようなら、須賀君が優希に惚れてしまう可能性があるのよ」 咲「ばかばかばかしいです。SOA!SOA!」 和「……」 まこ「動揺して口からでてしまった言葉じゃ、気にせんでいいじゃろ」 久「咲、落ち着いて今の優希と須賀君の状況をもう一度よく考えてみなさい。日頃から男の子に対してお願いばっかりしているの女の子と、愛想を尽かせず女の子のお願いをきいてあげてる男の子。こういう言い方にしたらわかるんじゃないかしら?」 咲「……!!」 久「気づいたようね」ニヤニヤ 咲「でもでも、京ちゃんに限ってそんなこと……」 久「あの人だけは大丈夫だなんてーうっかり信じたらだめ!」 まこ「だめ!」 和「だめ!」 久・まこ・和「だーめだめよ!」 咲「S O S」 まこ・和「パンパン!」ヒューヒュー 久「みんなノリいいなって……、いったい歳いくつなのよあんた達」 まこ「わしは、カメレオン・アーミーが一番好きだったのお」 和「ジパング以外ありえません!」 咲「ペッパー警部が可愛くて好きです」 久「だからなんで知ってるのよあんた達は!今時のJKがピンクレディの曲で盛り上がるってるこの状況おかしいと思わないの!?」 まこ「別に、知ってたって問題ないじゃろ。誰かに迷惑かけてる訳でもあるまいし、それでそういう部長は何が好きなんじゃ?」 久「……世界英雄史よ」 まこ・和・咲「「「渋ッ!!!」」」 久「ふぅ、落ちもついたし話を戻すわよー」 まこ「まてまてまてー。世界英雄史のインパクトが強すぎてそんな簡単に頭切り替わらんわ」 和「冗談ですよね部長!?仮に本当なら多分、部長しかいませんよ!世界英雄史好きの女子高生なんて」 咲「いい曲なんですけどね……でも、それこそ今時の女子高生の会話には絶対出てこないですよ」 久「もういつまでその話題続けるのよ。それはもう終わった話題だからいいでしょ!咲ー、話を戻すわよ」 咲「は、はい!わかりました」 まこ「うぐぅ、なんじゃこの得も言われぬ感情わーー!!」 和「なんか……、すごくモヤモヤします」 まこ「マネマンされた時のどうしようもないあの感じに似てるわ」 和「やるせないです……」 久「二人ともうるさいわよ!!」 まこ・和「ぐぬぬ」 久「咲もさっき気付いたと思うけど、多分その解釈であってるわ。だけど念のために一応解説しておくと」 久「私は、須賀君が日頃から優希ちゃんの言うことをきき続けてる間に、こいつは俺がいないと駄目だ。と思う様になってしまう可能性があると言っているのよ」 まこ・和「あるある」 咲「いやねぇよ」 久「そんなきっぱりと言い切れるかしら?」 咲「お言葉ですが、あえて先ほど部長がおっしゃっていた意見を真っ向から否定させて頂きます。全地球上の男性の99%が当てはまろうと京ちゃんだけは絶対に当てはまることはありえません」 久「へー、その心は?」 咲「だって京ちゃん鈍感ですし」 まこ・和「そうだった!」 咲「おそらく自分の恋心すら自覚できないと思います」 久「学生議会長の私を論破するなんてやるじゃない(咲や優希からあれだけあからさまな好意を向けられてるのに、全く動じてないてことが何よりの証拠よねー)」 咲「京ちゃんの鈍感さは折り紙つきです。とある少女はその鈍感さの被害にあってしまい東京に引っ越してしまったなんて事実があるくらいですから……」 まこ「京太郎本人に悪気がないと分かっているんじゃがこれはあまりに酷いの……。実害が出ている以上対策の一つでも立てて京太郎に気をつけるよう言ってやらんと」 久「余計なことはしなくていいわ」 咲「そうです!京ちゃんには日頃からわたしが言って聞かせてるので安心してください」 和「須賀君に日頃から言って聞かせてる割には全然治っていませんよね」 咲「うっ、それは……」 まこ「咲、今度はわしが先輩としてガツンと言って京太郎の鈍感をなおしてみせるから安心せぇ」 久「それは駄目よ、まこ」 まこ「なんでじゃ部長?さすがに京太郎も先輩から注意したら自分の鈍感さを見直すじゃろ?」 久「説明が必要みたいだから言っておくけど、鈍感さの改善には他人からの働きかけはあまり効果を持たないの」 久「人がせっかく注意をしても須賀君自身身に覚えがないのだから、その注意はのれんに腕押し状態になってしまう可能性が高いの。だから鈍感さを改善するためには須賀君自身がで色んなことを経験して、自分自身で問題に気づき解決していくのが一番良い方法なのよ」 和「へー、そうなんですか。さすが部長物知りですね」 まこ「そうなんかー、鈍感っていう曖昧な基準にも、きちんとした対処法があるんじゃの。勉強になったわ部長」 久「……まぁね」 咲(GJです部長) ガラガラガラ 優希「今戻ったじょー」 京太郎「ただいま戻りました」 久「おかえりなさい。二人とも」 優希「なんだ、みんなまだ打ってなかったのかだじぇ?」 京太郎「あれ、ほんとだ。もしかして俺と優希のこと待っててくれてたんですか?だとしたら申し訳ありません。結構な時間お待たせしてしまって」 久「イケメンで」 まこ「気遣いできて」 和「腰が低い」 咲「今宵そなたが鳴かすわ誰ぞ」 京太郎「短歌!?どうしたんですかいきなり!!」 久「いいの須賀君あなたは今のままでいてくれたら……」 咲「京ちゃん気にしないで……わたし頑張るから!!」 京太郎「いやいやいや、なんなのこの空気。俺と優希が完璧置いてけぼりなんだけど」 まこ「京太郎、わしからお前に言ってやれることは何一つのない……。しかしな、わしらはみんなお前の味方じゃ!これだけは覚えといてくれ……、頼りない先輩でスマン京太郎」 京太郎「えっ、なんですかこれ!?俺これから戦争にでも行くんです?なんでみんな俺のことをそんな悲しそうな目で俺のこと見てるんですか!?」 和「須賀君気をつけてくださいね(自分の鈍感さに)……。そのせいで不幸になった人がたくさんいるんですから……」 京太郎「マジで!?俺マジで戦争行く感じなの!?」 和「茶化さないで真面目に聴いてください!」 京太郎「えっ、あ、はい」 咲「原村さん落ちついて…」 和「でも、被害にあった人たちのことを考えるとわたし……」グス 京太郎(マジかよ……。やばいこれ……本当に戦争が起こるみたいだ……) 和「須賀君詳しいことは言えませんが、どうか気をつけてください」グス 京太郎「……わかった」コクリ 久「それじゃあ、みんな揃ったし東一局始めるわよー」 まこ「最初の親だけはさっき決めていたから咲が親で始めじゃ」 京太郎「……て!ちょっと待てーい!!おかしいでしょー!そんなのんきに麻雀打ってる場合じゃないでしょ!?今日のところは早く家に帰った方がいいでっすって!」 久「須賀君どうしたのよいきなり大声出してビックリするじゃない」 京太郎「これから戦争が始まるっていうのに、悠長に麻雀やろうとしたら、そら大声も出しますよ!」 まこ「戦争って……、えらい物騒じゃのぉ……」 久「須賀君、冗談にしては面白くないわね」 京太郎「こんな性質の悪い冗談言う訳ないでしょう!!さっきの俺と和の会話聞いてなかったんですか?」 まこ「そりゃあ、バッチリ聞いていたけどのお」 久「それが戦争とどう絡んでくるのかしら、須賀君?」 ワーワーギャーギャー 優希「ねぇねぇ、咲ちゃんさっき馬鹿犬とのどちゃんが話していた内容ってなんだっけ?」 咲「京ちゃんの鈍感さが原因で被害を被る女の子がたくさんいるって話だけど、部長が鈍感な人に自身が鈍感だと伝えるのはよくないって教わったから、京ちゃんにそのことが伝わらないようにし話してたんじゃないかな?」 優希「ふ~ん、なるほどなーだじぇ!」ピコーン 優希「わたしも京太郎と一緒にしばらく部室出てたから、京太郎ほどじゃないにしても、皆が何を言っているのか意味不明だったじぇー」 優希「それにしてもこいつは傑作でじぇ」ゲラゲラゲラ 咲「何か分かったのなら、これ以上変な空気になる前に教えてよ優希ちゃん」 優希「そうするじぇー!みんな話を聞いてほしいじょー!!馬鹿犬は一回廊下で待っててくれだじょ」 京太郎「なんでだよ?」 優希「ちょっと乙女が聞かれたら恥ずかしい話になるじぇ」 京太郎「……なんか腑に落ちないけど分かったよ。しばらく外にいる、話が終わったら呼んでくれ」 ガチャリ 優希「むぅ、最近の犬はやけに聞き分けがいいじょ」 和「クスッ、張り合いがなくてつまらないですか優希?」 優希「そ、そんなことないじょ!あいつもやっと犬としての自覚が出てきて飼い主としては嬉しい限りだじぇ!」 久「面白そうな話だけど、今のところはその話は置いておいて本題に入りましょう。優希どういうことかしら?」 優希「了解だじぇ!」 優希「カクカクシカジカ」 久「須賀君ー!戻ってきてもいいわよー」 ガチャリ 京太郎「失礼しまーす」 和「ごめんなさい須賀君…、私の言い方が悪かったみたいで誤解させちゃいました……」 京太郎「誤解?」 和「はい、安心してください須賀君は戦争に行ったりなんてしませんから」 京太郎「へっ?じゃあ、さっきの話はなんだったんだ?」 和「言えません」 京太郎「なんで!?」 咲「それについては、原村さんの口から答えを聞いても意味ないの。京ちゃん自身が考えて気付かないと意味がないんだよ」 京太郎「和の口から聞いたら意味がない……。俺自身が気付かないと意味がない……」 まこ「少しヒントをやると、京太郎はもう少し自信を持っていいと思うぞ」 京太郎「……自信ですか?」 和「そうですよ、そしていつか気付いてくださいね」 京太郎「…………」 京太郎「!」 京太郎(まさか) 京太郎(でも、そんなことありえるのか?) 京太郎(いや、しかし……他に考えられん) 京太郎(まさか、和が俺のことを好きだったなんて) 京太郎(和の口から聞いても意味はない、俺自身が気付かないとだめ……、これはおそらく、乙女な和のことだから自分から告白するより相手からロマンチックに告白されることを望んでいるはず……、だから俺が和の気持ちを酌んだ上で告白を行えということに間違いないだろう……) 京太郎(ただしこれだけでは単なるこじつけであることも事実だ。そこで生きてくるのが、染谷先輩のヒントだ) 京太郎(俺にもう少し自信を持てとのこと。これは、アニメ・漫画などで用いられる鈍感なキャラへ必死にアピールしているキャラへの粋な手助けとして、主に一線引いた位置にいる双方の友人キャラが使うことが多い、いわばテンプレの台詞である) 京太郎(それをこの場で用いたということは、つまりそういうことででしょう染谷先輩。ただ染谷先輩が誤算だったのは、俺自身が鈍感キャラでは無く、鋭い切れ者だったことだ……。おかげでこんな大変な事実を知ってしまいましたよ)フッ 京太郎(そして極めつけは愁いを帯びた表情で俯く和とその台詞、いじらしい乙女心に違いない!)ムフフ 京太郎(ここまで材料があったら確定してもいいだろう) 京太郎(だとしたら、内心不安がっているであろう和に俺は何をしてあげられるのだろうか?) 京太郎(皆がいる手前、露骨に態度に出すのはまずい) 京太郎(それに部長とのこともあるしな) 京太郎(だからここはアイコンタクトで分かっているから心配しなくていいと言うことだけを伝えよう) 京太郎「和!」ニコッ 和「なんですか!にやけ面でこちらを見ないでください、不快です。死にます」 京太郎「えー……」 部活開始 久「もうすぐ期末ねぇ」ぱち 咲「そうですねー」ぱち まこ「もうそんな時期かー。はやいもんじゃな」 和「そうですね、でも、だからと言っていつもとやることが変わると言ったわけではないんですが、気持ちの持ち様はやはりいつもと変わってきますよね」ぱち 久「まー今回もなんとかなるでしょうね、私のことだし」ぱち 咲「部長は毎回テストの結果上位じゃないですかー」ぱち まこ「そういう咲だって現国で満点を取るような猛者じゃからのー」ぱち 和「染谷先輩だって暗記系科目は満点ですよね」ぱち 久「和は和で数学満点でしょうに、本当、うちの部は学業優秀で素晴らしいわね」ぱち 和「それポンです」ぱち 優希「……犬」 京太郎「なにも言うな……」 久「お腹が空いたわ……」ぱち 咲「そうですね」ぱち まこ「帰り何か食べて帰るかの」ぱち 優希「タコス安定だじぇ!」 和「優希たまには違う物を食べたらどうですか。あんまり同じものばっかり食べてたら体壊しちゃいますよ」ぱち 久「とりあえず優希の意見はスルーして、なんか意見はないかしら?」ぱち 優希「ちょ!?」 咲「駅前に新しくできたケーキバイキングのお店はどうですか?」ぱち まこ「おー、よさそうじゃのー。わしは賛成じゃ」ぱち 和「私も特に問題ありません」ぱち 久「須賀君も、もちろん来るのよ」 京太郎「男子学生がケーキバイキング……、敷居高いな……」 久「確かそこのバイキングに物凄く可愛いバイトの子がいるみたいな話しが」京太郎「お供します」 久「じゃあ、そこで決定でいいかしら?」ぱち 咲「はい」ぱち まこ「はいよー」ぱち 和「分かりました」ぱち 優希「了解だじぇ」 久「そういえば昨日皆が帰った後に、私須賀君に告白しちゃったんだよねー」パチ 咲「へー、そうなんですかー」ぱち まこ「部長も大胆じゃなー」ぱち 和「あ、それチーです。部長を落とすなんて須賀君もやりますねー」ぱち 久「自分が面食いだなんて自覚はなかったのにねえ」ぱち 咲「ははは、でも京ちゃんは性格もいいですから」ぱち まこ「まあ、優良物件じゃろうな」ぱち 和「天然タラシですけどね」ぱち 久「……」ぱち 咲「……」ぱち まこ「……」ぱち 和「……」ぱち 京太郎「あ、俺トイレ行ってきますね」 優希「……」ガシッ 京太郎「離せ!タコス!!後で何でも言うこと聞いてやる!だかr」咲「京ちゃん、どういうことなの?」 京太郎「ひっ」 咲「私の耳がおかしかったのかなー。さっき部長が京ちゃんに告白したって言ってたような気がするんだけど、そんなことありえないよねー、京ちゃん?」メキッ 京太郎「咲さんどうか落ち着いてください。肩が痛いです。離してください!お願いします!!」 咲「ごめんねー京ちゃん、事情を話してくれるまで手は離せないかな」 まこ「……部長さっきのはお得意の冗談じゃないんか?」 和「説明せずにあのままほっとくと、また須賀君が気絶してしまいますよ……」 久「その件の説明はちゃんとするわよ。それにしてもあなた達いやに冷静ね」 まこ「あの状態の咲を見ていたら冷静にもなるじゃろ」 和「誰かが、物凄く動揺しているのを間近で見ると逆に冷静になりますよねー」 久「咲ー、私がさっきのこと説明してあげるから須賀君を離してあげてー」 咲「部長……」 京太郎「」 優希「……虫の息だじぇ」 咲「京ちゃんに告白したのって本当なんですか……部長?」 久「えぇ。本当よ」 まこ「冗談じゃない……だと……」 和「師匠乙」 優希「なんでだじぇ……、今までそんなそぶり全然なかったのに……」 久「そうね、そうだと思うわ。だって、私が須賀君が好きって気持ちを自覚したのは昨日のことだもの。気づかなくて当然よ」 まこ「昨日自覚した想いをすぐさま京太郎に伝えたって訳か」 和「漢らしいです」 久「そんな格好良いものじゃ無かったけどね……」 咲「……部長は京ちゃんのことが本当に好きなんですか?」 久「当たり前でしょ、好きでもない男に告白するほど私も落ちぶれちゃいないわよ」 咲「なんで」 咲「なんで今さら」 久「咲……」 咲「わたしは!ずっと、ずーーっと京ちゃんが好きだった!!なのに!!」 和「宮永さん落ち着いてください!!」 咲「……部長は知っていますか?京ちゃんの好きな食べ物を」 久「知らないわ」 咲「京ちゃんの得意な教科は」 久「知らないわ」 咲「京ちゃんの好きな有名人は」 久「知らないわ」 咲「部長は京ちゃんのこと何にも知らないんですね」 久「そうかもしれないわね」 咲「そうですよ。部長は京ちゃんのこと何にも知らないんです」 まこ「お、おい咲」 久「いいのよ、まこ」 咲「わたしは京ちゃんのこと、たくさん知っています」にこっ 久「そう…」 咲「はい!だから京ちゃんのことを全然知らない部長は勘違いしているんですよ」 久「……どういうことかしら?」 咲「部長は京ちゃんのこと本当は好きじゃないって言っているんですよ」 久「……どうしてそう思うのかしら。理由を聞かせてくれる咲?」 咲「昨日わたし達が帰った後、部長は京ちゃんに告白したんですよね?」 久「えぇ、その通りよ」 咲「昨日、わたしは部長に京ちゃんが目を覚ましたらメールを下さいとお願いしました」 咲「部長から京ちゃんが目を覚ましたというメールが届いたのはわたし達が、部室を離れてから1時間半後でした」 咲「多少前後するかもしませんが、京ちゃんが起きるまでの時間、部長は気絶している京ちゃんと二人きりでした」 咲「寝ている京ちゃんと二人きりというシュチュエーション、好奇心の強い部長のことです、いい機会ですし京ちゃんの顔をじっくり見てやろうと思っても不思議じゃありません」 咲「知っての通り京ちゃんは黙っていればそこらのアイドルに引けを取らないくらいイケメンです。そんな京ちゃんの顔をじっくり見ていればドキドキもするでしょう」 咲「わたしがそのシュチュエーションに遭遇したら、おそらく自制が利かず京ちゃんを襲ってしまうかもしれません」 和「お、襲うって……」 まこ「……恥ずかしいやっちゃのー」 咲「あははは、冗談ですよ京ちゃんのことは大好きですけど、そんな痴女みたいな真似はできませんよ」 久「」 久「そ、それで咲は何を言いたいのかしら、はっきり言ってちょうだい」 咲「部長は京ちゃんと二人っきりというシュチュエーションが作用した結果、その場で恋愛感情に似た感情、具体的にいえばアイドルグループに盲目的に入れ込んでいる人達と同様な感情を持ってしまったため勘違いしてしまったんですよ!」 久「乱暴だけど理論としての筋はちゃんと通っているわね」 咲「早く勘違いに気付いてよかったですね、部長!!ですから京ちゃんへの告白を取り下げましょうよ。今なら京ちゃんも許してくれますから」にこにこ 優希「……」 久「須賀君なら許してれるかもしれないわね」 咲「はい!京ちゃんは優しいですから笑って許してくれますよ!なんなら、わたしも一緒に謝りますから」にこにこ 久「そうね須賀君はきっと許してくれるわ」 咲「なら」 久「でも、私が許せない」 咲「え」 久「須賀君のことが好きだって言うこの気持ちが嘘だなんて、私は思わない!思う訳がない!!」 咲「……」 久「咲、あなたはさっき私にこう言ったわよね?須賀君のこと何にも知らないって」 咲「……事実です」 久「そうね、事実だわ」 久「でも私は今の所はそれでも良いと思っているの」 咲「……どういうことですか」 久「さっき咲が須賀君のことなら、たくさん知っていると言っていたわよね、正直、この話をしている時の咲はすっごく憎たらしかったわ……」 咲「……」 久「でもそれ以上に咲が羨ましかったの」 久「知ってる咲?あなたが須賀君のことをたくさん知っていると言ってた時の表情、すごくいい笑顔だったのよ」 久「今まで怖いぐらい無表情で話していて、内心色んな負の感情でいっぱいだったはず、そんなあなたが一瞬だけいつもの可愛らしい宮永咲に戻ったのよ。これって凄いことだと思わない?」 久「大好きな須賀君のことを考えるだけで、今までの嫌な感情をすべて吹っ飛ばして笑顔にしてくれる。咲にとって須賀君はそういう人なんだって」 久「それを見て私は咲が羨ましくなった。それと同時に須賀君をもっと好きになろうと思ったの」 咲「……」 久「今の私は須賀君のことを何も知らない、だけど須賀君と一緒にいて、須賀君を知ることはきっと良いものだって、咲あなたを見て確信できた」 久「これから時を重ねて、あの時の咲の様に笑えたら……、それはきっと素敵なことだと思うの」 咲「部長……」 久「咲が言った通り、私は本当は須賀君のこと好きじゃないのかもしれない。これは単なる憧れで私がただの面食い女だって可能性もあるわ」 久「だけど、自分の気持ちすら分からないハッキリしない私だからこそ、人を好きになるっていう気持ちを人任にしたくないの」 久「私はこれから全力で須賀君のことを好きになる努力をするつもりよ」 久「私が須賀君を本当に好きじゃなかったら須賀君を好きになる、私が須賀君を好きだったらもっと大好きになる。良いこと尽くめでしょ?」 まこ「そんな強引な……」 和「でしょ?って言われましても……」 咲「そんなのずるいです!!ちゃんと自分の気持ちと向き合って、結論を出してから告白するのが普通ですよ!?」 久「いやよ。そんなのめんどくさい」 咲「えー」 久「それに普通ってのに意味があるのかしら?私が悩んでいる間に他の子に取られてしまう可能性がある以上、即断即決、先手必勝が一番でしょ」 咲「でも、でも!」 優希「いい加減にするじぇ……、咲ちゃん」 咲「……ゆうきちゃん?」 優希「今さら、何を言っても部長の気持ちは変わらないじぇ」 咲「でもわたし……嫌だよ……」ぐすん 和「宮永さん……」 まこ「咲……」 久「……」 優希「甘えんな!」 咲「!」びくっ 和「優希!」 優希「泣くほど悔しいんだろ?なら、なんで行動しなかったんだじぇ」 咲「だって、もし、グスッ、京ちゃんに、振られたら、グス、一緒に入れなくなるかも、ヒグッ、しれないし」えぐっ 咲「そんなの絶対いやだもん!」ぐすっ 優希「咲ちゃんは傷付きたくなかっただけだじょ!だから、居心地の良い今のままの関係で妥協してたんだじょ!」 優希「自分以外の他の誰かが、京太郎と恋仲になる可能性だって理解していたはずだじぇ」 咲「グスッ、エグッ、グスッ、嫌ー、いやっ!!」 優希「雛鳥が口を開けていれば親鳥が餌を運んで来てくれる。そんな関係はありえないんだじぇ!」 優希「ずっと一緒にいれば、いつか自分の気持ちに気づいて京太郎の方から告白してきてくれる。そんなことは、ありえないんだじぇ」ギリッ 優希「自分から行動しなくちゃいけなかった」 優希「でもできなかった」 優希「今の関係を壊す勇気がなかったから」 優希「でも部長は、それができたんだじぇ」 優希「今の関係を失うかもしれないことを理解してなお、一歩進んだんだじぇ」 優希「壊れそうになるくらい京太郎が好きだったのに、行動してこなかった、行動できなかった咲ちゃんが悪いんだじょ……」 和「ゆうき!言いすぎですよ」 咲「……いいの、グスッ、原村さん。きっと、グスッ、優希ちゃんも、辛いはずだから」ひぐっ 優希「咲ちゃんは馬鹿だじぇ!」 優希「でも」 優希「もっと馬鹿なのは私だじぇ」 優希「長い時間、京太郎と一緒にいた咲ちゃんに負けたくなくて、いっぱいアピールしたじぇ」 優希「皆の前でじゃれついたり、京太郎に構って欲しくて意地悪なことを言ったりしたじょ」 優希「咲ちゃんを除いて京太郎と一番仲のいい異性は自分だ、なんて思ってた」 優希「今の関係で満足してた、居心地の良さに甘えてたんだじょ」 優希「さっき咲ちゃんに向けての言葉は全部、自分に跳ね返ってくるんだじょ……」 優希「分かってたのに、ぐすっ、わかってたのにな、ぐすっ」 まこ「優希……」 優希「だから咲ちゃん、私たちは、ぐすっ、ぎょうだろうを、ひっぐ、あきらめなきゃ、だじょ」 咲「グスッ、分かってる!分かってるよ、ヒグッ、でも、ズビッ、頭では理解しているけど、どうしてもダメなの!!」 和「宮永さん……」 優希「私だって諦めたくないじょ、でも!」 久「そんなに須賀君が好きなら今から告白すればいいじゃない」 咲「」ぽかーん 優希「」ぽかーん 咲「へ?」 優希「は?」 久「だから、ここでのびてる須賀君を起こして二人とも告白しなさいて言っているのよ」 まこ「お前さん、自分が何を言っているのか理解しているのか!?」 久「当然でしょ」 和「では、なんで?自分の彼氏に今から告白しろって、そんなオカry」 久「あのねぇ、私は須賀君に告白したとは言ったけど付き合っているなんて一言も言っていないわよ」 優希「まさか、告白したはいいが京太郎に振られたんだじぇ!?」 久「違うわよ……不吉なこと言わないでちょうだい!須賀君に告白の返事を保留にしてもらっているだけよ」 咲「どうして、そのような事を?」 久「フェアじゃないでしょ。ずーと前から須賀君のことが好きな娘が二人もいるのに、その娘達の想いを無視したまま、須賀君と付き合うのは後ろめたさがあるじゃない」ニコッ 咲「部長」うるうる 優希「ありがとうだじぇー」うるうる 久「勘違いしないでよ二人とも。私が敵に手を貸すのはここまでよ。さっきも言ったけど、こっからは全力で須賀君を落としにかかるから」 咲「私も絶対負けません!」 優希「京太郎と一番近い距離感で接している私だじぇ!ゆえに敗北することなどあり得ないじぇ!」 久「それじゃあ須賀君を起こすわよー、心の準備は良い?」 咲「あわわわ、本当に今から告白するんですか……明日じゃダメですか部長?」 優希「そそそそうだじぇ、今日は日が悪いし、明日にしてくれだじぇ部長!」 まこ「怒ったり、泣いたり、焦ったり忙しい奴らじゃのー」 和「この期に及んで、まだへたれますかこの二人は……」 久「別にいいわよー」 咲「ありがとうございます!部長!」 優希「さすが部長、話がわかるじぇ!」 久「いいけど、私、須賀君に告白の返事きいちゃうわよ」 咲「何を言っているんですか、はやく、京ちゃんを起こしましょう。もうこの気持ちは1分1秒止められません」 優希「そうだじぇ、このままじゃ京太郎への熱い思いが暴走して寝ている京太郎をむちゃくちゃにしかねないじょ」 まこ「本当に何なんだこいつら……」 和「優希にいたっては完全にアウトです」 久「そう、じゃあ起こすわねー」 まこ(京太郎の耳元に顔を近づけていったい何をするつもりじゃ) 和「実にラブリーですね」 久「かぷっ」 京太郎「甘がみっ!!!」がばっ まこ「実にテンプレじゃの」 和「フラグ立てましたからね!二重の意味で」ドヤー 久「おはよう、須賀君ご機嫌いかがかしら?」 京太郎「最高ですって……顔近いすっよ!?なんですかいきなり!!」 久「なんか、咲と優希が君に話があるそうよ」 京太郎「話し?なんだ二人して」 咲「京ちゃん」 優希「京太郎」 「「好きです(だじぇ)」」 京太郎「へっ?」 咲「中学の頃、友達がいなかった私に声を掛けてくれた時から、ずっと好き」 優希「私の我儘をなんだかんだ言いながらも聴いてくれる京太郎が好き」 咲「好きじゃない所なんてないくらい好きなの」 優希「京太郎の声を聞くだけで元気になるんだじぇ」 咲「だから、私とずっと一緒にいて京ちゃん」 優希「京太郎とずっと一緒にいたいじょ」 京太郎「咲、優希……」 久「須賀君、わたしの事も忘れないでちょうだいね」 京太郎「部長……」 久「当然、私も大好きよ須賀君」 京太郎「俺は……」 まこ「3人とも真剣に告白してるんじゃ、お前さんはそれに応えなければいけない、そうじゃろ?」 京太郎「はい」 和「須賀君、皆さんは相当の覚悟の下あなたに告白しました。なら、あなたも相応の覚悟を持って応えてあげてください」 京太郎「あぁ、分かっている……、中途半端な返事なんてしないさ」 京太郎「俺は」 全員「」 京太郎「俺は!」 全員「」ごくり 京太郎「俺は 久「いっけなーーーい、もうこんなじかーん」」 京太郎「へ?」 久「やばいわー!こんな時間まで部活やってたら目つけられちゃうわー」 咲「そ、そうですね!もう、部活の時間だいぶ過ぎちゃってますし!」 優希「ほ、ほんとだじぇ!今日の所は残念だけどお開きにしとくかだじぇ!」 久「そうね、ひじょーに残念だけど今日の所は時間もないし、しょうがないわねー」 まこ「……おい」イラッ 久「何かしら、急いで帰らないと帰りがおそくなっちゃうわよ!まこ」 まこ「いやいやいやありえんじゃろ!?この空気で京太郎の返事を聞かずに帰るとか、それにまだいつもの終了時間を5分過ぎただけじゃ!!」 久「それは、ほら、あれよ!えぇーっと、そうよ!昨日も遅くなっちゃたし、毎日遅いとお家の人が心配するでしょ!」あせあせ 咲「そうです!昨日わたしの家の人めっちゃ心配してました!」あせあせ 和「宮永さん気が動転して、あなたが普段絶対使わないであろう表現を使ってますよ」 咲「そんなことないでやんす」あせあせ 和「無理がありすぎる!?」 優希「それに、京太郎にも考える時間は必要だじぇ」あせあせ 久「そうよ!須賀君だって色々あって混乱してるだろうし、返事は明日に回した方がいいわよ!」 まこ・和「このへたれ達は本当に……」 久「べ、別にへたれたとか、そういうんじゃなくて、須賀君も今より明日の方がいいでしょ?」 京太郎「俺は今からでもぜんぜんいい 久「そうでしょ!明日の方がいいわよね!!」……はい」 まこ(京太郎も苦労するの……) 和(3人には悪いですが、須賀君は3人とも振るっていう選択肢が一番良いんじゃないかという気がしてきました……) 久「それじゃあ、みんな帰るよー!」 咲「はーい」 優希「はーい」 まこ「京太郎頑張れ、超頑張れ」 京太郎「ははは……」 和「明日はきっといいことありますよ!」 京太郎「皮肉を言われた!!」 京太郎(でも、まあ) 久「須賀君また明日ー」にこ 京太郎(なんていうか) 優希「またなーダーリン」にこ 京太郎(あの残念な三人に振り回されるのも) 咲「京ちゃんバイバイ」にこ 京太郎(悪くない) 京太郎「あぁ!また明日!」にこ 京太郎(そう思います)
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透華「長々と続いた戦いもこれで決着ですわ……!」 怜「ここまで来たからには負けへんよ……」 憩「番外編レギュラーとしてここは負けられないところやね」 恭子「なんとか生き残れたのはいいけど……大阪率高いね、ここ」 恒子「またまた始まりました、麻雀どうでしょう!これまでのあらすじ――なんやかんやして、一つの場所に少女達が集まって、やいのやいのと争いを始めた!」 健夜「だから私、テレビってきらい……」 京太郎「どうしてこうなった……?」 事の発端は、長野ローカル局内企画会議室にて会議中、突然立ち上がった恒子アナウンサーのこの一言―― 恒子「そだ、今度の麻雀どうでしょうなんだけど、いつものまどでしょ(※麻雀どうでしょうの略)メンバーに新人さん一人プラスしてやろう!」 健夜「…………こーこちゃん?」 京太郎「…………コックリ……コックリ……うぁ?」 時刻は夜の二時。 既に彼女にまともな判断力が残っているはずもなかった! 健夜「いつものことだと思う……」 京太郎「俺も……そう思いま……グゥ……」 健夜「あ、えっと、眠いなら寝てていいよ?ここ朝まで借りられるみたいだし……寒くない?毛布持ってこようか?」 京太郎「すみません……」(ショボショボ 健夜「フフ……」(苦笑 恒子「さすがアラフォー、やることが汚い!年下の子に包容力でアピールとか、さすが汚い!」 健夜「だから、アラサーだよ!うぅ……人に優しくしても罵られるこんな世の中……」 京太郎「ぐぅ……すが、ぐぅ…………」 恒子「とりあえず師匠は寝ちゃってるし、いつも通り事後承諾でいいとして……」 健夜「そこはちゃんと意見を聞いてあげようよ……」 恒子「だが断る!!」 後に師匠こと京太郎に問い詰められた彼女は名言を生み出す……! 京太郎「なんでこんなことしたんすか?なんでこんなことしたんすか!?」 恒子「私は須賀君、良かれと思ってやってんのよ、少しでも盛り上がればと思って言ってんのよ」 京太郎「さ、最低だこの人!?」 事の発端はやはりというか、福与恒子。 京太郎「そんで……新しくロケやるのはいいとして……いや、全然よくないんですけど。正直、俺は抜きでやってほしいんですけど……」 学生の本分を見失いそうな京太郎、悲しく訴える……が、ダメ。 健夜「に、逃がさないから……」(震え声) 京太郎「こ、小鍛治プロ……まさかここで裏切るんですか……!?」(ざわ…… 健夜「ゴメンね……一人よりも二人の方が、いざって時にこーこちゃんを抑えられるから……」 京太郎「そ、それを言われると辛い……」 恒子「なにやら不穏な密談が交わされてますけど……案ずるな高校生!あとついでにアラフォー」 健夜「だからアラサー……!」 京太郎「お、落ち着いて、小鍛治プロ、落ち着いて。そうやって過剰に反応するから、いつまでも同じネタを――」 恒子「それじゃー、今回のお題発表いってみよーかー」 恒子「今回は――――コレ、『美味しいイベントは麻雀の強さこそが物を言う?長野の自然満喫のキャンプ』だー!」 恒子「内容はまー、いつも通りあれやこれや決めるのは麻雀でどうでしょ、でー」(だるい…… 京健(それでいいのか本職……) ――そうして再度、動き出した麻雀どうでしょう。 学校の試験期間ということで(運良く)不参加となった莉子ちゃんを除く、須賀師匠・すこやん・こーこちゃん一行加わったのは以下の四人。 透華(つ、ついに来ましたわ……!旅行、京太郎とテレビ番組というお題目掲げての旅行……!)(フルフル 怜「うーん、酔い止めの飴ちゃんにハンカチ、ティッシュ……あと枕」(ワクワク 憩「気分悪くなったらうちに言うてくださいねー♪」(ルンルン 恭子(まさか、監督が勝手に応募しとったなんて………………い、いや、別に嫌やあらへんけど)(テレッ…… 恒子「人選はG.S(グレートスピリッツ)の導きのままに!」 京太郎「すげえ裏があるとしか思えないんですけど……」 恒子「ある程度、出番とイベント確約されてるキャラ限定だもん、そりゃーこうなりますよ」 健夜「が、がんばろう、諦めたらそこで企画は終了だよ……」 恒子「あ、ちなみに言い忘れてたけど、部屋割りからお風呂の組合せまでとことん麻雀で決めるから、そこんとこよろしく」 一同「え……?」 健夜「ちょちょちょっとこーこちゃん!?それって下手したら須賀君とこの子達で一緒の部屋とか、お、お風呂もあり得るってことじゃ……!?」 恒子「まーまー、大丈夫、大丈夫。例え須賀師匠が押し倒されても、編集すりゃどうでもなるもん!」(バッチコーイ! 京太郎「アレッ、俺が狩られる側!?」 透華「そ、そんなはしたない真似……オホホ」(真っ赤 怜「私、激しい運動はお医者さんに止められとるし……コホンコホンッ」(ポッ 憩「アハハ……さすかに、ねえ?」(テレッ 恭子「………………クスッ」(病み……病み…… 透怜憩「!?」 恒子「――――そして少女達の修羅場が始まる!」 京太郎「ちょっと黙ってろ、あんた!!」 健夜「し、師匠、落ち着いてー!」 恒子「ハイハイ、ビデオの録画時間は有限だからサクサクいくよー」 恒子「今日の宿泊予定地はここの山頂にあるから、そこまで徒歩で移動します!」 ――そして、途中ギブアップした怜を以前(現在の価値に換算して2スレ前である)と同じ様に須賀師匠がエスコートし、道中メンバーの空気を険悪なものにしながらも山頂に到達。 そこで一同を待っていたのは――――ただただだだっ広い広場。 京太郎「……小鍛治プロ、俺すごくいやな予感がします」 健夜「き、奇遇だね須賀師匠……私もだよ……」 恒子「それじゃ…………今日はここをキャンプ地とします!」 京太郎「聞いてねー……」 健夜「一度、腹を割って話し合おうよこーこちゃん……」 恒子「はーい、ここで登場、麻雀どうでしょう謹製どこでも雀卓ー!」(テケテテンッ! 京太郎「出たよ……」 健夜「出ちゃったね……」 透華「こ、これが噂の……」 怜「おおー、久しぶりに見たなー」 恭子「大阪食い倒れの旅で大活躍してたよね……」 憩「べ、別の意味で思い出したくないかなー……その、体重的な意味で」(ボソッ 怜恭「………………アァ」(遠い目 透華「…………どうせ私は一度もまどでしょに参加してませんわよ。のけ者ですわ……」(イジ……イジ…… 京太郎「そ、そんなにいじけないでくださいよ……ほ、ほら、こうして今日は一緒にキャンプできるんですし!やったじゃないですか、俺は透華さんがいてくれて嬉しいですよ!?」 透華「……そ、そ…………そこまで言われたら仕方ありませんわね!京太郎、このキャンプ一生ものの思い出にしますわよ!」(龍門渕透華、歓喜っ……! 怜恭憩「………………」(モヤ……モヤ…… 恒子「こうして不用意に火種を撒いた須賀師匠……。彼の身に不幸な事件が襲いかかること、この時はまだ、誰も知らなかったのだ……」 健夜「ナレーションしてないで、早くお題発表しようよ……」 恒子「じゃあ、勝負の目的は『京ちゃん割り』でー!」 京太郎「え」 健夜「え」 透華「京太郎……なんですの?」 恒子「だからー、京太郎割りだってば、京太郎割り」 京太郎「え、なにそれ怖いんですけど……」 怜「京ちゃん割りって何するんやろな?」 憩「うーん、こっちに聞かれても困るなあ……京太郎君バラバラにする――」 恭子「じゃ、じゃあ、私は胸――」 憩「なーんて意味じゃないやろし」 恭子「え?」 一同「――――えっ」 京太郎(す、末原さん……なんかウットリした顔で胸希望してた……?いやいや、そんなまさか……) 恭子「ち、違うよ?須賀君のどこにひっついてええかの割り当てすんやったら、私は胸がいいってことで……」(アタフタ 健夜「す、須賀師匠、な、何か一言……!」 京太郎「――――そっとしておこう!」 恒子「な、なんかさすがの私でも耳を疑っちゃう告白を聞いた気がするけど……須賀師匠を自由にできる時間割りを決定するための対局、スターット!!」 京太郎「あっ!?止める機会を見つけ損ねた……!」 健夜「もう諦めた方がよさそうだよ、師匠……」 透華「前から一度、教えて差し上げたかったのです……この中で私こそが本流だと!」(治水! 怜「せめて奥義で葬ったるよー……」(トリプル! 憩「全国個人戦二位……お相手しますー」(小宇宙! 恭子「凡人がどこまでやれるか……試させてもらうで」(えっと…………スパッツ? 恒子「そして時間は冒頭へ!」 京太郎「メタに走った……!」 健夜「決着つくのかなー、この子達の勝負……」 終わり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341114511/ 京太郎「語尾がニャーとかだったらもっと可愛いんだろうなぁ」 京太郎「あれ、風越にそんな子が居たような…」 京太郎「誰だっけ…?」 ドン 池田「にゃー!前見ろし!」 京太郎「っと、すみません、考え事をしていて…ってあー!」 池田「な、なに?」 京太郎「そうだ、風越の池田先輩だ!」 池田「なに?誰?なんで私を知ってんの?」 京太郎「清澄高校麻雀部の須賀京太郎といいます」 池田「清澄?麻雀部に男子なんていたの?」 京太郎「あはは…ですよね」 ナニシテンダイケダァ! 池田「にゃ!やば!じゃーね、清澄の!」 京太郎「あ、はい!…かわいいなぁ」 --麻雀部 京太郎「はぁ…」 まこ「どうしたんじゃ、あれ」 久「今日来てからずっとこうなのよ」 咲「何かあったのかな…」 京太郎「風越か…」 久「風越?どうして風越の名前が出てくるのかしら」 まこ「さぁ、よーわからん」 咲「風越ってあれから接点あんまり無いですよね?」 久「ええ、部長さんとはやりとりはしているけれど」 京太郎「池田先輩か…」 3人「!」 久「え、池田ってあの池田さん?」 咲「たぶん、私と打ったあの人だと思いますけど」 まこ「ははぁ、アレは気があるっちゅーこっちゃね」 久「あはは、まっさかー」 京太郎「尻尾があればもっと…」 まこ「…スマン、勘違いじゃったかもしれんの」 久「彼、どこに行こうとしているのかしら」 咲「京ちゃん…」 コンコン 久「はい、どうぞー」 美穂子「こんにちわ」 久「あら、こんにちわ。今日はどうしたの?」 美穂子「いえ、特にどうというわけではないのですが…」 久「?」 美穂子「上埜さんに会いに来ました」 久「あら、嬉しいわね」 池田「キャプテンまたいい笑顔だし…」 京太郎「あ!池田先輩!」 池田「にゃ?」 池田「あ、ぶつかった人!」 京太郎「須賀京太郎です!」 池田「そうだっけ?」 京太郎「俺ってそんなに存在感ないのかな…」 池田「まぁまぁ、元気だすし」 京太郎「どうして今日はここに?」 池田「キャプテンが清澄の部長に会いたいって言うから付き添いなんだよ」 京太郎「ああ、そうなんですか」 池田「キャプテン嬉しそうだし、華菜ちゃんも来たかいがあったし!」ピコピコ 京太郎(アナタの猫耳のほうが素敵です) 京太郎「池田先輩!」 池田「にゃ?」 京太郎「コレ、つけてもらえませんか?」 池田「にゃ?猫の尻尾?」 京太郎「はい!これで完璧なんです!」 池田「…なんかキモイし」 京太郎「!」orz まこ「あからさまに落ちこんどるのう」 美穂子「あら、猫の尻尾なんて可愛いじゃない」 池田「キャプテンが言うならつけてみようかな…」 池田「つけましたよキャプテン!」 美穂子「あら、やっぱり可愛いわね」 久「似合うじゃない」 まこ「ほほう、これはいいものをみたの」 京太郎「マジ可愛い!天使だ!」 池田「て、照れるし…」 美穂子「京太郎さんが尻尾を持っててよかったわ」 池田「キャプテン…」 京太郎「先輩!にゃーっていってもらっていいですか!?」 池田「に、にゃー…」 全員「!」 京太郎(こ、これは!) 久(予想外だわ、これほどの破壊力を秘めているなんて) まこ(おお、射抜かれるところじゃった) 美穂子「まぁ!やっぱり可愛いわね」 池田「か、かわいくなんて…」 京太郎「いや、マジ可愛かったですよ!」 池田「や、そんな…」 美穂子「ね、これからその格好で学校に来ない?」 池田「コレはさすがにはずかしーし!」 美穂子「いいじゃない、部の皆も可愛いって言ってくれるわ」 池田「勘弁してくださいよキャプテン…」ウルウル 京太郎「涙目な池田先輩可愛い!」 美穂子「うふふ、決定ね?」 池田「そんなぁ…」 まこ「ありゃ部長よりもドSじゃ」 久「あら、私はSなんかじゃないわよ?」 池田「お前のせいだし!」 京太郎「俺ですか!?」 池田「尻尾なんて持ってくるからいけないんだし!」 京太郎「やだなぁ、俺は似合うだろうと思って」 池田「うっさい!」 京太郎「ああ、嫌われた…」 まこ「自業自得じゃの」 久「可愛いしいいじゃない」 池田「よくないし!」 美穂子「華菜、取ったらご飯抜きね?」 池田「キャプテンが鬼だし…」 美穂子「あら、もうこんな時間。お暇させていただきますね」 久「ええ、またいらっしゃい」 美穂子「ええ、華菜もまたつれてきますね、京太郎さん」 京太郎「は、はい!」 池田「もう来ないし!」 美穂子「華菜、わがままはダメよ?」 池田「うう…」 美穂子「では、また」 久「じゃあね」 まこ「ありゃあ逃げられんの」 咲「にゃーん」 京太郎「猫の真似なんかしてどうしたんだ?」 咲「…なんでもない」 美穂子「うふふ、次はいつ行こうかしらね」 池田「もう行かないし…」 美穂子「あら、でもそれだと京太郎さんが寂しがるわ」 池田「どういうことです?」 美穂子「秘密。華菜は可愛いから嫉妬しちゃうかも」 池田「キャプテーン、教えてくださいよー」 美穂子「そのうち分かるわよ、きっとね」 --風越麻雀部室 池田「あれからずっとつけてるから先生にも怒られるし…」 美穂子「可愛いから問題ないじゃない」 池田「そんなもんだいじゃ…」 文堂「可愛いですよ、先輩!」 深堀「うん」 池田「みんなして可愛い言うなし…」テレ バン! 久保「池田は居るか」 美穂子「コーチ!」 池田「は、はい」 久保「……」 池田「……」ビクビク 久保「その尻尾は何だ」 池田「その、あの…かわいいから付けろって…いわれて…」 久保「池田ァ!」 池田「ひゃい!」ビクビク 久保「可愛いじゃないか」 池田「…へ?」 久保「いや、邪魔したな。練習してろ」 バタム 美穂子「なんだったんでしょう…?」 文堂「さぁ…」 池田「私ってそんなに可愛い?」 美穂子「ええ、それはとっても」 池田「…華菜ちゃんの時代が始まったかも知れないし!」 美穂子「あらあら、すっかり元気になっちゃって」 文堂「コーチに可愛いって言われましたからね」 深堀「うん」 美穂子「華菜、お礼言いに行かなきゃね」 池田「お礼?」 未春「にゃー」 深堀「…」 未春「…ごめんなさい」 --清澄麻雀部室 池田「というわけでお礼しに来たし!」 京太郎「わざわざありがとうございます!」 池田「お前のおかげだし、感謝してる」ピコピコ 京太郎「ああ、猫耳と尻尾…俺生きててよかった…」 久「なにかしたの?ずいぶんと変わったようだけど」 美穂子「うちのコーチが可愛いって言ってくれたんです」 久「ああ、それであんなに調子に乗ってるのね」 美穂子「そんな華菜も可愛いですし」 久「あら、アナタも可愛いわよ?」 美穂子「上埜さん…」カァ まこ「居づらいのぉ」 咲「京ちゃん…」 池田「仕方ないから連絡先教えてやるし」 京太郎「マジっすか!?やったー!」 池田「勘違いするなし!教えてやるだけなんだからな!」 京太郎「なんでもいいっす!」 久「あの子、池田さんに惚れてるのかしら」 美穂子「どうなんでしょうね」 久「優希が怒りそうね」 美穂子「うふふ、修羅場もいいものですよ」 久「ふふ、そうね」 まこ「あんたら鬼か」 池田「じゃあ、コレで帰るし」 美穂子「お邪魔しました」 久「気をつけて帰るのよー」 京太郎「メールしますね!」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「ん?なんだ咲」 咲「池田さんのこと好きなの?」 京太郎「んー、猫耳と尻尾が可愛い上級生ってとこかもな」 咲「そ、そっか…へー」 京太郎「なんかあったのか?」 咲「う、ううんなんでもない」 咲(麻雀で立ち直れないくらいにしてやろっかな…)ゴォ --数日後 京太郎「ひゃっほい!」 まこ「うっとぉしい」 久「最近ずっとああなのよね」 まこ「どれ、ワシがちょっとばかし探ってみるかの」 まこ「ちょっといいか?」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「あ!あそこに風越の猫耳が!」 京太郎「え!?どこですか!?」 まこ「…わりゃぁ疑うことを知らんのか」ヒョイ 京太郎「ああ、俺の携帯が!」 久「咲、押さえといて」 咲「分かりました」ガシッ 京太郎「はーなーせー!」 まこ「どれどれ?」 久「うわー、さすがにコレは引くわね…」 まこ「猫耳娘の画像、しかも池田ばっかりじゃ」 京太郎「やめろぉー!」 久「メールも毎日してるのね」 まこ「でも、内容はふつうじゃ」 久「須賀君が画像くれって言ってるみたいね」 まこ「送ってくる辺りがなんというかの…」 久「付き合ってるの?」 京太郎「付き合ってませんよ!」 咲「京ちゃん、コレはどういうことなの?」 京太郎「咲、顔が怖い…」 久「でもこの画像の量だとちょっと疑っちゃうわね」 まこ「100は超えとるからの」 咲「京ちゃん?」 京太郎「誤解ですって!ただのメル友ですよ!」 久「…へぇ」 まこ「ただのメル友のう」 咲「でもこのメールの内容おかしいよね?ちょっとえっちぃ画像ついてるし」 京太郎「いや、だからそれは…」 咲「ねぇ、どういうことなの?」 京太郎「え、ええと…」 咲「答えてくれないと分からないよ?」 京太郎「えっと…」 久「観念したほうがいいと思うわよ?」 まこ「このままだと咲が大変なことになりそうだしの」 京太郎「と、友達以上恋人未満な感じで…」 まこ「また曖昧じゃのお」 京太郎「や、ホントなんですって!」 久「で、付き合う気はあるの?」 京太郎「どうなんでしょう…猫耳と猫の尻尾、それににゃーって言ってくれるってだけで相当ポイントは高いんですけど」 咲「それって好きってことなの?」 京太郎「…まぁ、たぶんそうなるんじゃないかな」 咲「……」ゴォォ 久「さ、咲?」 咲「よかったー、ちゃんと好きなんだね」 京太郎「は?」 まこ「おりょ」 咲「曖昧じゃなくてよかったよー」エヘヘ 京太郎「お、怒ってないのか?」 咲「え、私が怒るとかそんなオカルトありえないよ」 久「よく言うわね…」 まこ「まぁ、最悪の展開は免れたようじゃし、いいんじゃないかの」 咲「じゃあ、ここに池田さん呼ぼっか」 ---- --- -- 池田「呼ばれたし」 美穂子「何かあったんですか?」 咲「いえ、たいしたことは無いんですが…」 咲「池田さんに大事な用があるんです」ゴォォ 池田「にゃっ…オーラが怖い…」 美穂子「華菜…」 久「さ、私達は隅で傍観しておきましょう」 まこ「出て行くんじゃないのか」 京太郎「ああ…」ハラハラ 咲「池田さん、京ちゃんのことどう思ってるんですか?」 池田「どうって…き、気になる相手ではあるし」 咲「…そうですか」 池田「用事ってそれだけ…?」 咲「いえ、まだありますよ?」 池田「にゃっ…」 咲「あのちょっとえっちぃ写真、どうして送ったんですか?」 池田「そ、それは…おだてられてちょっといい気分だったしつい…」 咲「…」 咲「池田さん、麻雀しませんか?」 池田「へ?」 咲「池田さんが勝てば京ちゃんは譲ります。私が勝てば京ちゃんは私のものです。いいですか?」 池田「…受けてたつし!」 京太郎「ちょ、咲!」 咲「京ちゃんは黙っててね?」ゴォォ 京太郎「…はい」 咲「面子は私、池田さん、染谷先輩、部長でいいよね?」 池田「ぜんぜんかまわないし!余裕で勝ってやるし!」 久「咲、貴女…」 まこ「ありゃ、こうなってしまうのかの」 池田「私が勝って見せるし!」 咲「さぁ、どうかな?」 久「…」 まこ「気は進まんがのう」 京太郎「あああ、どうしてこうなった…」 美穂子「華菜…」 東風戦 東1局 東:咲 南:まこ 西:久 北:池田 咲「私からだね」 池田「親番最後だし…」 咲「…」タン まこ「やりづらいのぉ」タン 久「まぁ仕方ないわね」タン 咲「…」 11順目 池田「リーチだし!」 咲「はい」タン まこ「ありゃ、リーチか…」タン 久(咲が考えるとすれば…」 池田「ツモ!4000オールだし!」 咲「はい」 久(この子…) --そして局は進み-- オーラス 5順目 咲:22000 池田:39000 まこ:12000 久:27000 美穂子「華菜が勝ってる…?」 京太郎「いや、でもこの点数だと逆転されるかも知れません」 美穂子「華菜…」 池田(張った!安いけど、ダマでさっさと和了して1位だし!」タン 咲「さて」 咲「カン」 池田「え…?」 美穂子「華菜…!」 京太郎「…!」 咲「ツモ。2000・4000です」 池田「あれ…?これって…」 咲:30000 池田:35000 まこ:10000 久:25000 咲「負けちゃったね」 池田「か、勝ったし!よくわかんないけど勝ったし!」 久「咲、わざとでしょう?」 咲「いえ、私は真剣にやりましたよ?」 まこ「うそつけ」 池田「京太郎!勝ったし!」 京太郎「よかったですね!」 久「ま、気づいてないしいいんじゃない?」 まこ「じゃね」 美穂子「よかった…」ウル 池田「やっぱり清澄より私のほうが強いし!」 美穂子「華菜、あんまりはしゃがないで…」 池田「あのときのリベンジも果たしたし、華菜ちゃん最強だし!」 京太郎「さすがだぜ!」 咲「…やっぱり飛ばしておけばよかったかな」イラッ 久「飛ばしてたら須賀君と付き合わなきゃいけないわよ?」 咲「私はそれでいいんですけど、京ちゃんはやっぱりあっちのほうがいいのかなって」 まこ「素直じゃないのう」 咲「いいんです」 池田「えっと、ちょっとしゃがむし!」 京太郎「?こうですか?」 池田「そうそう、それで目を閉じて」 京太郎「へ?」 池田「早くするし!」 京太郎「え、は、はい!」 池田「…っ」チュッ 京太郎「は!今何か当たったような」 池田「き、気のせいだし!」 咲「吹っ飛ばしていいですかね?」 久「奇遇ね。私もそう思ってたのよ」 美穂子「華菜…!」 まこ「やめんかおまえら」 池田「京太郎、華菜ちゃんとその…付き合ってほしいし!」 京太郎「はい!喜んで!」 池田「にゃ…」テレ 咲「もう爆発すればいいんじゃないかな」 久「私達もしてみる?」 美穂子「はい…」 まこ「あんたらもか…」 京太郎「この後どうしましょうか」 池田「華菜ちゃんが尻尾つけてご奉仕してあげてもいいけど…」 京太郎「マジで!?ひゃっほう!」 池田「こ、こんなこと京太郎以外にはしないんだからな!」 京太郎「マジありがてぇ…」 久「さ、私達も」 美穂子「上埜さん…」 咲「蚊帳の外ってこういうことを言うんですかね」 まこ「たぶんの」 咲「私には和ちゃんがいますし」 まこ「あれ、ワシだけ仲間はずれになって」 咲「冗談ですよ。私は染谷先輩好きですよ?」 まこ「ま、ありがたくうけとっておくかの」 池田「京太郎、もう一回」 京太郎「え、何をです?」 池田「にゃー!」 京太郎「冗談ですよ」チュッ 池田「にゃ…不意打ちはずるいし…」 京太郎「ははは、可愛いからですよ」 池田「にゃー!」 京太郎「まったく猫耳、もとい華菜ちゃんは最高だぜ!」 お わ り
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特別編 side阿知賀 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します 現在の阿知賀編とはまた別の世界とかそういうのです 時期は秋頃のイメージ ■月▽日 今日は穏乃に誘われて山に出掛けた この時期は綺麗なんだと楽しそうに案内する穏乃といるのは、実際楽しかった しかし、山の天気は変わりやすいからか、急に強めの雨が降り出した 穏乃の案内で慌てて雨宿りができそうな山小屋へと駆け込んだ そこは雨こそ凌げるが、やや古い作りだった 俺達はとりあえず濡れた服を脱いで少しでも乾くように室内に干した 着替えも無いが、濡れた服をそのまま着ているよりは、ということでお互いにかろうじて濡れていなかった下着姿だった とりあえず雨さえ止めば、と思っていたが穏乃が結構寒そうにしていた 小柄で身体の肉も薄い穏乃をそのままにしておくのはと思い、一応断ってから穏乃を抱き締めて暖めた 俺より薄着だった分、穏乃の体は冷たかった が、俺の体温で暖まったのか、気付くと穏乃は眠っていた 雪山でもないし、そのまま雨がやむまでしばらく寝かせてやった その後、雨が止み、日も差していたので穏乃を起こし、多少湿ったままの服を着て山を下りた 下りた後、穏乃から「今日はごめん、それとありがと……あったかかった」そう言われ、穏乃は走り去って行った 風邪引かなきゃいいんだがなー 俺も今日はあったかくして早く寝よう 玄「わー、下着姿で抱き締めてもらうなんて、穏乃ちゃん大胆だね!」 穏乃「ち、ちがっ……別に変なことはやってませんよ!」 晴絵「ほーう……まぁ深くは追及しないでおくけど、よく抱き締めてもらうこと許したわね」 穏乃「あー……それはそのー……」 宥「どうしたの?」 穏乃「許したっていうか……寒いかって聞かれて、寒いって返したら……いきなり抱き締められまして……」 憧「い、いきなり!?」 灼「京太郎……」 穏乃「あ!そんな無理矢理とかじゃないですよ!私も嫌じゃなかったし……あっためようって、必死だったとかで……」 晴絵「おー、あの穏乃が完っ全に乙女の顔だわー」 憧「くっ……やっぱり穏乃だからって言っても油断できないか」 灼「強敵ばっかり……」 玄「おもちあるからって油断できないな……」 宥「私も頑張ろう」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346479251/ 優希「はぁ・・・」 咲「どしたの?」 優希「今月も赤字だじぇ」 和「またですか。そもそも一個数百円するタコスを毎日食べてるんですから当たり前です」 咲「一個300円だとして一日5個。それを一週間に五日で一ヶ月だと考えると・・・」 咲「嘘!?一ヶ月に30000円!?」 優希「休日にも食べるし300円より高いのだって食べるからもっといくじぇ」 和「いばらないで下さい」 優希「でも困ったじぇ・・・。このままじゃ借金が膨れ上がって体を売る破目になるかもしれないじょ・・・」 咲「えっ・・・優希ちゃん借金してるの!?」 和「バカなんじゃないですか。繰り返しますけど、優希はバカなんじゃないですか」 優希「てへ☆」 和「お茶目に舌を出してる場合じゃないでしょうに」 咲「アルバイトしたらどうかな、優希ちゃん」 優希「全国大会を控えたこの時期にバイトなんてできるわけないじぇ。常識で考えてよ咲ちゃん」 咲「ごめん・・・」 和「バカ優希。タコスで借金作ってる貴女が咲さんをどうこう言う資格はありません」 優希「はぁ・・・」 優希「おい京太郎。さっきから黙ってるけど、何してるんだじょ?」 京太郎「ああ。俺は県予選でも敗退しちゃったからな。バイトでも始めようと思って求人見てたんだよ」 優希「ほう、見上げた犬だじぇ」 京太郎「そうか?高校生なんだし別に普通だと思うけどな」 優希「京太郎に命じる。バイトをして私の借金を返済するんだじょ」 京太郎「は?やだよ。そんなのお前がなんとかしろよ」 和「優希は甘え過ぎなんですよ。この際、少し痛い目見た方がいいです」 咲「でも京ちゃん、借金が返せなかったら優希ちゃんは体を 売らなきゃなんないんだって。ねぇ、なんとかならないかなぁ・・・」ウルウル 優希「私が風俗で働いて変な病気で死ぬことになったら京太郎のせいだじぇ。お前は一生後悔するからな」 京太郎「咲・・・」 和「咲さんがそこまで言うのなら私が立て替えても・・・」ゴニョゴニョ 京太郎「わかったよ。優希がそんな目に遭うのを見過ごしても寝覚めが悪いもんな。 でも今回だけだぞ。あと、ちゃんと後で返してくれよな」 優希「やった~。お前はできる犬だと思ってたんだじぇ」 咲「よかったね、優希ちゃん」 和「死ねばいいのにこのタコス・・・」ボソッ 染谷「話は聞かせてもらったぞ、京太郎」 京太郎「染谷先輩!?」 染谷「優希の借金を返済するためにバイトするんじゃろ?よかったらわしの家でやっとる麻雀喫茶で働かんか?」 京太郎「いいんですか?」 染谷「おう、もちろんじゃ。その頭じゃバイト探すんも難儀するじゃろ」 咲「確かに金髪だとどこも雇ってくれるのためらっちゃうよね」 和「田舎ですしね」 京太郎「すみません染谷先輩」 染谷「何、困ったときはお互い様じゃあ」 優希「ねえねえ染谷先輩・・・」 染谷「なんじゃ?」 優希「先輩のお店になんだけど、京太郎のツケってことにしてタコス食いに行ってもいいか?」 京太郎「お前はまた借金を増やすつもりか!?」 咲「あ、あはは・・・」 和「ほんと、死ねばいいのに」ボソッ 京太郎(こうして俺は染谷先輩の麻雀メイド喫茶、Roof-topで働くこととなった) 染谷「こん店じゃあ広島弁ができんと話にならんけぇね」 京太郎「はぁ・・・」 染谷「まあおいおい慣れるじゃろ」 蒲原『すみませーん』 染谷「お客さんじゃ。よし、京太郎。注文をとってくるんじゃ」 京太郎「わかりました」 蒲原「ワハハー、メニューをもらおうか」 京太郎「はい、こちらになります」 衣「おい」 京太郎「はい、何でしょうか?」 衣「見ない顔だな。新顔か?」 京太郎「ええ。数日前から見習いという形でこの店に 衣「そうか。智美、もう決まったか?」 蒲原「うん。衣はメニュー見ないでいいのか?」 衣「衣の頼むメニューは決まってるからな」 蒲原「それじゃあ私は、このライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチをお願いしようかな」 衣「衣もそれで」 京太郎「えっ・・・」 京太郎(どうしよう・・・。マズイぞ・・・。ランチタイムはもう終わってるから、このランチタイム限定メニューは断らないと・・・) 京太郎「お、お客様・・・。失礼ですが当店のランチタイムは既に過ぎておりますのでそのメニューはちょっと・・・」 蒲原「ワハハ、そうなのか・・・。せっかく楽しみにしてたのにな・・・」 衣「なんとかならないのか?金ならあるぞ」 ドン! 京太郎(すごい札束だ!!ど、どうしたらいいんだ・・・!?染谷先輩・・・、俺は・・・) 京太郎(ざっと見て数十万以上はあるだろうな・・・。優希は月に数万単位でタコスを食ってる。 清澄に入学した4月からだからあれだけあれば優希の借金を払っておつりが出る・・・) 京太郎(まだこの店でお世話になって数日だから、知らないふりしてオーダー取っちまうか?作るのは厨房だしな・・・) 京太郎(で、でも俺にはそんなこと・・・) 京太郎「私の一存では・・・。上の者に聞いてきますので少々お待ち下さい」 蒲原「そうかー、わかったぞー」 衣「色よい返事を期待している」 染谷「あー、わかっとるわかっとる」 京太郎「えっ?」 染谷「よう頑張ったのう。たまに来るんじゃよ。ああいうの0が」 京太郎「そうなんですか?」 染谷「ああ。ランチタイム限定メニューをランチタイム外に出せっちゅうたり、 ディナー限定メニューを昼間に出せっちゅうばかたれがな」 京太郎「俺、どうしたらいいかわからなくて・・・」 染谷「今回はわしの対応をよく見て、次からはそれを見習った対応をするんじゃ」 京太郎「はい、わかりました!」 京太郎「すごいです先輩!まさかあんな強気な対応で断るなんて!」 染谷「ああいう客にいちいち付き合っとったらいくら時間があっても足りんけぇね。ああいうんをくれーまーいうんよ」 京太郎「でも、俺、自信ないっす・・・。もし変な接客してこの店の評判を落としたらって思うと・・・」 染谷「ふむ・・・。そんじゃあキッチンで働いてみるか?」 京太郎「俺がキッチンで!?」 蒲原「食べれなかったな・・・」 衣「うん・・・。衣、Roof-topのあの有名なライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを楽しみにしてたのに・・・」 蒲原「学校終わってすぐ来たんだけど、ランチタイムには間に合わなかったからなー・・・」 衣「悔しくて衣は・・・衣は・・・」 蒲原「そういえば衣はなんでエビフライが好きなんだー?」 衣「話せば長くなるがいいか?」 蒲原「ワハハー、それじゃあ手短に頼む」 衣「あれは衣が中学に通っていたときのことだ・・・」 蒲原(何だか長くなりそうな気がするぞー) 衣「その頃、透華の父上も母上もお盛んで、衣は龍門渕の家に邪魔だったから東京の蒼山☆学院☆中等部に通ってたんだ」 蒲原「この長野からかー?」 衣「いや、衣は東京で独りで過ごさせられた」 衣「そこで衣は最初は普通の学校生活を送っていたのだが、ある一人の生徒に目をつけられたことから生活は一変する・・・」 蒲原「ある一人の生徒?」 衣「芸能人の黒鬼瞳の娘、伊知地萌子というんだ」 蒲原「黒鬼瞳っていったら超有名女優じゃないか!そんな大女優の娘に目をかけてもらったなんてすごいじゃないか!」 衣「・・・・・・・・・」 衣「その伊知地萌子は大女優の娘というだけあって親が学校に たくさんの寄付をしていたんだ。だから、どんな勝手も許された・・・」 蒲原「まあ大金持ちだし、名前も売れてるしな。学校も特別扱いしたくもなるさー」 衣「そうだな・・・。それで、その伊知地萌子なんだが、女優の娘というわりにはパッとしない容姿だった」 蒲原「地味なのか?」 衣「いや、こういうとき純ならなんというだろう・・・?ぶっちゃけ醜女だ、とでもいえばいいのだろうか?」 蒲原「つまりブスなのか・・・」 衣「うむ・・・。母に似ず、伊知地萌子は父に似たのかもしれない。 とにかく外見にコンプレックスを持っていたのか、衣を目の仇にし出したのだ・・・」 蒲原「そうだったのか・・・」 衣「伊知地萌子は卑劣な女だった・・・。小さくて抵抗できない衣をいいことに、暴虐の限りを尽くした・・・」 蒲原「酷い女だな、そのゴリラ」 衣「影ではそのあまりの傍若無人なわがままっぷりから、伊知地萌子を暴王の月(メルゼズ・ドア)と呼ぶ生徒もいたらしい」 蒲原「まあ、逆らえないなら陰でそう言う子が出るのもわからなくもないなー」 衣「最初はまだ可愛い方だった・・・。授業中にケシゴムの破片やカスを飛ばしてきたり、メカニカルペンシルで刺してきたり」 蒲原「いやいや、刺すのは可愛いなんてものじゃないだろ」 衣「いや、それ以上のことを衣はされてきたからな。列挙すると一時間では語り尽くせぬ」 蒲原「そんなに酷い奴なのか、その黒鬼瞳の娘の伊知地萌子って女は・・・」 衣「体育の授業の際、体操着への着替えは男女別々なのだが、 衣は伊知地萌子とその取り巻きに押さえつけられて男子の前で着替えさせられたことだって何度もある・・・」 蒲原「酷いな・・・」 衣「それだけじゃない・・・。立場の弱い男子生徒に無理矢理射精させて、 衣にその体液をかけさせたこともあるんだ・・・。伊知地萌子は笑ってたよ・・・。 いい笑顔だった・・・。母親である大女優、黒鬼瞳顔負けのな・・・」 蒲原「衣・・・」 衣「学校になんか通いたくないと衣はいつも思っていた・・・。 でも、不登校なんてしたら龍門渕の家の名前に傷をつけることになる・・・」 衣「そうなれば衣は龍門渕から追放されて行き場をなくすかもしれない・・・。 それに透華にも迷惑をかけたくなかったしな・・・。衣には逃げ場なんてなかったんだ・・・」 蒲原「・・・・・・・・・」 衣「それでも、衣は頑張って学校に通った。でも、伊知地萌子はそれを許さなかった・・・」 衣「小さくて可愛いって言われる衣が、あのゴリラみたいな顔のゴリラみたいな娘には気に入らなかったんだ・・・」 衣「親の金や権力でバレエの発表会の主役をしたり、 劇団したりしているあのゴリラには、小さくて可愛い衣が何よりも憎い存在に見えていたんだ・・・」 衣「そして大事となる事態が・・・起きたんだ・・・」 蒲原「衣、辛いなら無理に話さなくたっていいんbんだぞ?」 衣「いや、智美に隠し事はしたくない・・・。だから話させてくれ・・・」 蒲原「うん・・・わかったよ・・・」 衣「あろうことか、あの大女優である黒鬼瞳(くろきひとみ)の娘、 伊知地萌子はクラスメイトの男子に金を握らせて教室で公開レイプショーなどということを始めようとしたのだ・・・」 蒲原「何だって!?」 衣「教室にはたくさんの男子が詰めかけ、伊知地萌子はその男子たちから見物料としてたくさんのお金を巻き上げていた・・・」 蒲原「最低だな、黒鬼瞳(くろきひとみ)が38歳で高齢出産してできた娘、伊知地萌子っていう父親似のゴリラ女は・・・」 衣「伊知地萌子はその公開レイプシーンを撮影して、それを元にさらにお金を儲けようとしていた・・・」 衣「今までにも無理矢理脱がされて携帯で撮影されたりしたことは 日常茶飯事だった・・・。しかし、強姦されてるところを撮影しようだなんて常軌を逸している・・・。衣は逃げた・・・」 蒲原「でも、逃げ切れるものなのか・・・?」 衣「いや、衣は小さくて非力だ・・・。体力もない・・・。だから、女子トイレに逃げ込んだんだ・・・」 蒲原「なるほど、頭を使ったな。女子トイレになら男子は入ってこられない」 衣「その考えは甘かった・・・。逆に、密室は逃げ場がないということでもあったんだ・・・」 蒲原「そんな・・・まさか・・・」 衣「衣はトイレの中に鍵をかけて閉じこもった・・・。 だけど、伊知地萌子とその取り巻きはお金を握らせた男子共々入ってきたんだ・・・」 衣「鍵をかけたトイレなんて役に立たなかった・・・。あいつらは上から よじ登って衣の入るトイレに来て、中から鍵を開け衣を引き摺り出した・・・」 蒲原「衣・・・」 衣「そんなとき、トイレに間に合わない上級生が衣の学年のトイレに来たんだ・・・」 小走『おっと、そこのここは女性用トイレだぞ。何故男子がここにいるんだ?』 衣「上級生がトイレに来て、衣は一瞬助かることを期待した・・・。 だが、現実は衣に厳しかった・・・。衣は伊知地萌子とその仲間たちに、 人も来なくて逃げられないように別な階のトイレに連れ込まれたんだ・・・」 蒲原「・・・・・・・・・」 衣「抵抗は許されなかった・・・。衣は何度も泣いて許して欲しいと嘆願した・・・。 だが、大女優でる黒鬼瞳(黒木瞳)の娘である伊知地萌子は ニヤニヤしながらずっと衣にカメラのレンズを向けていたんだ・・・」 衣「男子生徒に何度も乱暴に犯され、射精され、衣は死にたいとずっと思ってた・・・。 逃げることも、抵抗することもできず、衣はただずっと犯されつづけた・・・」 蒲原「・・・・・・・・・」 衣「そして、伊知地萌子とその取り巻きはそれをニヤニヤしながら眺め、 男子生徒にもっと激しくするよう言い、衣は悪魔のようだと思った・・・」 衣「その事件は当然学校にも発覚した・・・。だけど、黒鬼瞳(くろきひとみ)の娘が 首謀者ということで隠蔽されることになったんだ・・・。学校も見てみぬふりなんだ・・・」 蒲原「そんな・・・」 衣「だけど、黒鬼瞳(くろきひとみ)に反感を持つ者たちが各所にリークしたんだ・・・。衣が犯されたその事件を・・・」 衣「衣はそんなのは無駄だと思って諦めてたし、衣が犯されて撮影され、 その動画を伊知地萌子に公開されたなんて知られるのは嫌だった・・・」 衣「龍門渕の名前に泥を塗ることにもなるし、衣は・・・衣は・・・」 蒲原「もういい、もういいんだ、衣・・・」 衣「結局、衣は停学処分を受けた・・・」 蒲原「えっ・・・!?なんで被害者の衣が停学になるんだ・・・!?」 衣「加害者である伊知地萌子とその取り巻きも、名目上停学処分となった・・・。 でも、親バカで知られる黒鬼瞳(くろきひとみ)は、学校への莫大な寄付金や知名度を盾に、 うちの子だけ処分されるのはおかしい!される方が悪いんだって口を出して・・・」 蒲原「あの娘あってあの親あり・・・か・・・」 衣「それで、学校は衣に厳しい処分を下したんだ・・・」 蒲原「そっか・・・」 衣「衣はもらわれた子だからな・・・。龍門渕が助けてくれるなんてことはなかった・・・」 衣「そんな事件があったことで、衣はもう蒼山☆学院☆中等部には いられなくなって、透華に連れられて長野にまた戻ってきたんだ・・・」 蒲原「学校の上層部ももみ消しに協力してるんじゃな・・・。 そして、黒鬼瞳(くろきひとみ)親娘に媚を売って被害者に停学処分を下すくらいだし・・・」 衣「傷付いた衣を優しく慰めてくれたのが透華だった・・・。透華は衣が東京を去るとき、エビフライをご馳走してくれたんだ・・・」 衣「その時衣は久しぶりに人の心の優しさに触れたような、そんな安堵感を感じたんだ・・・」 衣「衣はレストランの中だというのに泣いた・・・。泣きながら透華がご馳走してくれたエビフライを食べた・・・」 衣「正直、泣いていて味はよくわからなかったかもすれない・・・。 でも、間違いなくあれは天上たる美味であったと断言できる・・・。透華の優しさの味だったのだから・・・」 蒲原「それで衣はエビフライが好きになったのか・・・」 蒲原と衣がライトニングサンダータルタルエビフライ定食ランチを食べられることはなかった・・・ 京太郎はその後、Roof-topで頑張って一人前と認められるようになり、片岡優希の借金を完済した・・・ そして伊知地萌子は中学時代の恨みを晴らすべく、衣と共に居た蒲原もろとも衣を始末する・・・ しかし、黒鬼瞳(くろきひとみ)が各所に手を回し表沙汰になることもなく、伊知地萌子が罪に問われることもなかった・・・ 大女優でる黒鬼瞳(黒木瞳)とその娘である伊知地萌子は今日も笑っている・・・ 我々特権階級は何をしても許されるのだと・・・ 完
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洋榎「ちゅうわけで、今日はうちらと初めての共同作業やでー」(エイエイオー 京太郎「すみません洋榎さん、意味が分かりません!!」 洋榎「えー、そこは初めての共同作業はケーキ切る方がええです、ぐらい言いやー」 京太郎「ケ、ケーキ切るって……いきなり何求められてんですか、俺!?」 絹恵「お姉ちゃん、それ難易度上げすぎ……」 絹恵「スーさんもビックリしすぎやよ……嫌なんか思うで」下から顔覗き込み(須賀京太郎だからスーさん……なにもおかしくはない 京太郎「ぅ……す、すみません」 京太郎(う、うはぁ……!!前屈みになることで、ただでさえ豊かなオモチが強調されて……す、すばらっ……!) 洋榎「……コラー!いつまで絹とイチャクチャやってんやー!」(地団駄 絹恵「べ、別にイチャクチャなんてやってへんよー……な、なあ、スーさん?」 京太郎「(オモチ……眼福でした)もちろんですとも」(キリッ 洋榎「お、おお、そーかー、分かっとるならええねん、分かっとるなら」 洋榎「ほんなら、今日のミッションの発表や!ここはうちらのお母さんのじいちゃんのイトコの弟のマブダチの妹の旦那さんのばあちゃん家の畑や!」 京太郎(最初の方ですでに他人の関係になつまてるんですけど、いいんですか?)(コソッ 絹恵(あ、あんま気にしたらアカンよ、たぶん)(ドキッ 洋榎「……だーかーらー、うちに喋らせといてイチャコラすんなっ、ちゅうねん!そんなんすんなら、今日のミッション教えてたれへんでー!」(ギャオー 京太郎「ああ、また駄々っ子モードに……」 洋榎「―――まあとにかくや、うちらで今日はここの畑を耕すっちゅうわけよ」(飴ちゃんペロコロ 京太郎「常備しといてよかった、飴玉」(フゥ 絹恵(お姉ちゃんの扱い方が子供向けすぎやで、スーさん……)(ナンダカナー 京太郎「とりあえず、二人がカウガールっぽい格好してる理由は理解しました」 洋榎「そーいう京太郎はつまらんジャージ姿やの、ガッカリや!」 京太郎「普通、動きやすい服装で、って言われたらジャージ着てきますって……」 京太郎「それはさて置き、ここを耕すんですか…………………………うん、フツーに校庭レベルですね」 洋榎「泉州名産の玉ねぎ畑やからな!」(水なすもあるで 絹恵「これでもちっちぇなあー、とか思てる人おるんがいながらにの怖いとこです」(誰のことかは察してや 京太郎「今日一日で終わるんですかね、コレ」 洋榎「それは京太郎の頑張り次第やな」 絹恵「私らも頑張りますんで、一緒に気張りましょーや」 京太郎「絹恵さんも……一緒に?」(ざわ……! 京太郎(……畑耕す→鍬を振る→オモチが揺れる→オレシアワセ) 京太郎「ククッ……面白いっ……。限界までいく……パイ、じゃなかった、倍プッシュだっ……!」(ざわ……ざわ…… 洋榎「おー、気合入ったみたいやな」 洋榎「ま、まあ?ちゃんと頑張ってくれたら、うちがご褒美用意したってるから……頼んだで!」 京太郎「ククッ……分かりました」 この時京太郎、意外に素直っ……! それも当然っ……京太郎の頭の中は、揺れる絹恵の胸一色……! 洋榎「馴れてへんから、ちょい不格好な感じになっとるけど、あ、味は問題ないはずやから、うん……」(ゴニョゴニョ 攻めるっ…………ここぞとばかりにっ……! 京太郎(絹恵さんのオモチ、揺れる……上下にっ……!なんて魅惑的……魅了されるっ……されざるを得ないっ……!) が、届かないっ……! 聞いていないっ……洋榎の照れながらの言葉をっ……! 悲劇っ……まさに悲劇っ……! これが『持たざる者』が背負わされるハンデっ……! 京太郎「よーし、頑張りましょうっ、洋榎さんっ!絹恵さんも!!」 絹恵「う、うん、そやねー」 洋榎「…………せやなっ!」(クワッ 洋榎(うぅ、あっさり人の話、無視しよってからに……)(ションボリ 洋榎「ほなら、サクサク掘り返していくでー」(ザクッ 絹恵「オ、オー!」(サクッ 京太郎「ククッ、構いませんよ……!」(ザクッ 広大な農地に振り下ろされる鍬……! 黙々と繰り返される単調な動きは、容易く労働者の意欲を削る……! 洋榎「せいやー!ほりゃー!…………飽きたー!」 絹恵「ええっ!?まだ始めて十分しか経ってないよ、お姉ちゃん!」(サクッ 京太郎「………………」(ザクッ……ザクッ……! 開始十分。 洋榎、まさかのリタイア宣言っ……! 洋榎「だってなー、よー考えたらこんな広いとこ人力でどーにかしようってのがおかしいんよ。こう、トラクターでガーッとやってバーッと終わらせたらええんよ!」 絹恵「それはそーかもしれんけど……うんしょ、よいしょっ」(サクッ……サクッ……! 京太郎「ククッ……クククッ!」(ザック……ザック……ザック……!! 愛宕姉妹のやり取りを余所に、京太郎、異質の動きっ……! 緩まない鍬の振りっ……繰り返す、的確に畑の急所に突き立てる……! 耕されていくっ……程よい固さっ、水捌けのよい土へと……! 洋榎「…………なんや、めちゃくちゃ張り切ってんなー、京太郎の奴」(ホヘー 絹恵「ほら、スーさん頑張っとんやから、私らも気張ろうやお姉ちゃん……」(サクッ……サクッ…… 京太郎(鍬を上下する……それだけの行為。だが見ろ……見ろっ……!) 一心不乱……否っ! 京太郎、心ここにあらずっ……! 視線はただ一点っ……カウガールの服を着てなお主張を止めぬ、絹恵のオモチ……! 鍬を振り上げ、振り下ろす度に悩ましげに弾む胸っ……! 目が離せない……釘付けっ……! 京太郎(ホルスタイン……いいや、最高級のジャージー牛レベルのオッパイ……ククッ、すばらだ………) 悪魔っ……これこそが悪魔の所業……! この世の百姓を全て敵に回す、不誠実なる野良仕事っ……! 京太郎「さあ、お昼時まであと少し……もうちょっとだけ一緒に頑張りましょうよ!」(キリッ 誘うっ……ここであえて爽やかに、たが強引に洋榎を引き戻すっ……! 京太郎「こういう共同作業も……悪くないもんですねっ」(キリリッ……! 洋榎「ぉ、オぉ……そ、そか?そんな風に熱く言われたら、洋榎さん困ってまうんやけどなー!」 舞い上がるっ……好意的な言葉、表情にっ……! 絹恵「もー、お姉ちゃん現金さんなんやからー」 だが、それもこれも全ては布石っ……! 姉がやるなら妹も追従せざるを得ないという、人の心を縛る悪漢の読みっ……! 洋榎「よっしゃー、お昼の時間やでー♪」 絹恵「わーい♪」 京太郎(満喫したっ……絹恵さんの乳揺れ……堪能しすぎて鼻血出そうだぜ) 洋榎「さあー、お待ちかねの洋榎さんお手製弁当お披露目やっ!」 京太郎「へえ、今日のお昼ご飯、洋榎さんが作ったんですか?」 絹恵「スーさんのことビックリさせたるー、って遅くまで頑張ってましたんよ」(コショコショ 京太郎「へー」 洋榎「デデデデデデデデデデデデデーデンッ!」(口ドラムロール 京絹(よく舌回るなー……) 洋榎「どやぁ!」(俵おむすび、唐揚げ、卵焼き、タコさんウインナー、ポテトサラダ、金平ごぼう、プチトマト 京太郎「おおー……!?」(スバラッ 洋榎「と、とりあえず食べごたえのありそーなもん詰めまくったったんやけど、どうやろか……?」 京太郎「これは……すばらですね!凄いですよ、洋榎さんっ!」 洋榎「(すばらて、全国のどっかの選手ん口癖やたよーな……)せやろせやろ、もっと感謝感激雨あられーでお願いするわー♪」 京太郎「よっ、さすが関西トップ……レベルの美少年雀士!料理の上手なお姉ちゃん属性まで持ってたなんて、これはもう嫁の行き先には困りませんね!」(ヤンヤヤンヤ 洋榎「よ、嫁やなんて、さすがにちょう気ぃ早いんとちゃうかなー、もー!」(バンバンッ! 京太郎「イタタッ、痛い、痛いですって!?」 絹恵(スーさん……テキトーに思い付いた誉め言葉出しまくっとるんやでな、たぶん)(モヤモヤ 絹恵「あんまそんな調子ええことばっか言ってたら、そのうち困ると思うでホンマ……」(ムスー 洋榎「んー?どないしたんや絹ちゃん、そないオモロなさそーな顔して?」 絹恵「うーんん、別になんもないよー」 絹恵(スーさんがお姉ちゃんにデレデレしまくってたて、末原先輩とかに教えたろ…………なんか、ちょびーっとだけ面白くなおし) 京太郎(あぁ、絹恵さんのオモチを眺めながら食べる弁当、うめー!単品でも十分美味しいけど、そこに高レベルなオッパイが添えられることで旨味と有り難みが十倍……いや、三十倍にはなってる!!)(スバラッ! 終われ。